パンフレットのない有料老人ホームに「要介護度の高い重度の入居者」が多いワケ

パンフレットのない有料老人ホームに「要介護度の高い重度の入居者」が多いワケ
(写真はイメージです/PIXTA)

パンフレットのない有料老人ホームや、簡単なものしかないホームでは、要介護度の高い重度の入居者が多い傾向にあります。本記事では、その理由とそのような施設への入居を避けたい時にはどうすればよいのかを株式会社ベイシスの取締役シニア事業部長である荒牧誠也氏が解説します。

入居前に「知っておきたいこと」を知るには?

ウェブサイトやパンフレットはホームの「伝えたい情報」が大きく掲載されている一方、「伝えたくない情報」は目に入りにくくなっています。

 

また、ホームの見学に行っても、パンフレットに掲載されている「伝えたい情報」を中心に説明されてしまいます。では、どうすれば「伝えたくない情報」を把握することができるのでしょうか?

 

答えは、ホームの「伝えたい情報」「伝えたくない情報」が公平に記載されている「重要事項説明書」です。都道府県によって表示順や項目に若干の違いはあるものの、同じ内容が同じ表示方法で記されています。

 

つまり、特定の項目を目立たせて表示したり、表記したくない情報を隠したりすることができない書類なのです。重要事項説明書が「読める」ようになることで、複数のホームの比較が容易にでき、見学の時には要点を絞って質問したり確認したりすることができます。

 

重要事項説明書に掲載されている情報は大まかに次の7つです。

 

1.ホームの類型(「介護付き」か「住宅型」か)
2.入居時の要件(主に要介護度。自立の方の受け入れの可否)
3.建物に関する説明(所有か賃貸か。居室の広さ。共用施設)
4.従業員の説明(配置人員。職員の資格。職員の介護従事年数。離職率。夜間体制)5.介護サービスの内容・協力医療機関、食事委託事業者の情報
6.利用料金
7.入居者の状況(要介護度。男女比率。平均年齢。退去者数。退去先)

 

これらの情報を知ることで、ホームの全体の概要が理解できます。ただし、一般の方が内容を理解するのは至難の業。専門家(ケアマネジャー、入居相談事業者の相談員など)に相談して、自分の知りたい項目について教えてもらうことをおすすめします。

 

■重要事項説明書を事前にもらえるホームに入居したい

 

重要事項説明書は、ホームの良い点も悪い点も掲載されているので、事前に渡すのを嫌がるホームがほとんどです。全体のホームの8割程度はすぐには出してくれません。

 

質の悪い業者では入居契約時にしか説明せず、さらには「大事なところだけ端折りながら説明します」と言って、ホームにとって伝えたくないところを飛ばして説明する業者もいます。

 

重要事項説明書は行政からも開示を義務付けられている書類ですから、パンフレット請求時や見学の予約時に入居希望者の状況をきちんと伝え、冷やかしでないことを説明すると、まともな業者なら送ってくれるはずです。

 

 

荒牧誠也氏

株式会社ベイシス

取締役シニア事業部長

 

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荒牧 誠也

幻冬舎メディアコンサルティング

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