フィリピンでは良い物件の情報は仲介業者が握っている
より良い物件情報を探す・・・と言っても、フィリピンでは物件を探すための不動産情報ポータルサイトはありません。フィリピン投資では投資家が直接物件を探すのではなく、仲介業者から紹介された物件から検討するのが一般的です。
つまり、投資家に情報を提供する筆者たちのような仲介業者が、より良い物件情報を得ることが重要なのです。
日本人投資家を始め、外国人投資家が買える物件はおおよそ決まっています。前回紹介したような大手デベロッパーや財閥が手掛けている物件です。
筆者の会社が販売している物件も、後々のリスクの少ない、大手デベロッパーや財閥系デベロッパーの物件が多いですが、大手だからといって何でも良いということはありません。常に新しい情報を得て、それを精査して投資家に提供しているのです。
たとえば、将来性の見込める大規模物件の新規計画があったとしても、地元中小企業の単発プロジェクトの場合、計画が頓挫したときの責任が負えるのかという問題があります。ごくまれにグローバルシティのような無名デベロッパーの成功もありますが、やはり安全性を第一に考えて物件を探しています。
デベロッパーから得た情報でも鵜呑みにしないこと
ここでポイントとなるのは、どのようにして物件情報を入手するのかということです。
新しいプロジェクト情報をいち早く入手するためには、どうしたらいいのか。次はどこで開発が行われるのか。デベロッパーが同じであってもデザイン企画部が異なるとプロジェクトにより品質やデザインも大きく異なることもあります。情報を待っているだけでは、出遅れてしまいます。
プレビルド物件の場合、本当に白紙状態からのスタートです。日本の場合だと一般情報なら新聞などの広告に入ってきますし、業者内であればレインズ(※)などの情報共有システムがあります。
※レインズ・・・国土交通大臣が指定する不動産業者間のデータベース。不動産業者間で共有され、日本全国の売買情報、賃貸情報が掲載されている。レインズに掲載されている売買情報、賃貸情報は、すべての業者で取り扱うことが可能。
しかしフィリピンでは、すべての情報が内部でやり取りされている場合もあります。嗅覚を研ぎ澄まし、自分から動いて内部情報を手に入れていかなければ、物件を押さえることができません。
通常デベロッパーブローカーでは、事前に情報提供を依頼していても、あらかじめ情報の提供をしてくることはありません。ですから私たちは、自主的に新しい物件の情報を確認もしくは、デベロッパーの上層部の方たちと常にコンタクトしています。
たとえば、マカティやグローバルシティを車で走っていると、まだまだ空き地があります。気になったらそのままにせず、「そこはどこの会社が買ったのかな?」とまず調べることから始めています。
ネットにも情報は載っていますし、さらに詳しく知りたい場合は、市役所(シティホール)に問い合わせればわかります。意外かもしれませんが、フィリピンでは、その辺りの情報は整備されていて、誰に所有権があるのかがわかりやすくなっています。
また、フィリピンのデベロッパーの内部スタッフから得た情報であっても、決して鵜呑みにしてはいけません。
私たちは、基本的にフィリピンのブローカーは、デベロッパーのスタッフでさえ知識が乏しいと思っているので、過信しないで必ず自分で確かめます。自分の流した情報は自分に責任があります。「誰々がそう言っていたから」という言い訳は通用しません。