写真:PIXTA

大統領選まで1年を切ったフィリピン。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が、大統領選による株式市場への影響についてレポートします。

過去のフィリピン大統領選…株式市場のパフォーマンス

来年2022年5月のフィリピン大統領選挙まで1年を切りました。選挙期間中、各候補者は、景気対策や経済活性化のための大きな政策を発表すると思います。そのため、通常、選挙の年と新大統領就任後1年間は株式市場のパフォーマンスが非常に良くなることがデータとして出ています。

 

フィリピンでは、大統領の任期は6年で再選なしという法律になっていますので、国民の間で高い人気を誇るドテルテ大統領の再選はありません。現ダバオ市長であるドテルテ大統領の娘は有力な次期大統領候補の一人です。彼女が大統領になった場合には、現ドテルテ大統領が副大統領などの要職につき、現在の主要政策が継続されると見られています。

 

選挙や政治の世界は水物なので今回は詳しくは触れませんが、誰が大統領になるにしても、人々の暮らしに直結する経済政策は、最も重要な政策。国民の関心も当然高く、特にコロナにより打撃を受けている経済をいかに回復させるかということが最重要課題ですので、この選挙イヤーは株式市場から目が離せません。

 

選挙の正式な開始は、選挙日の90日前なのですが、フィリピンでは、だいたい選挙の1年前から、候補者の非公式な選挙活動が始まります。つまり候補者は各地で集会を開いたり、テレビ出演などして政策や存在感をアピールし始めたりします。つまり、フィリピンの人々は、次の選挙の候補者が誰になるのか、すでに知っているのです。

 

最近の大統領選挙は、2016年、2010年、2004年9月に実施されました。それぞれの年の大統領選挙日前後1年の株式市場(PESI)のパフフォーマンスを見てみましょう。

 

2016年選挙:選挙前1年間のパフォーマンス:-10% 選挙後1年間のパフォーマンス:+13%

2010年選挙:選挙前1年間のパフォーマンス:+39% 選挙後1年間のパフォーマンス:+37%

2004年選挙:選挙前1年間のパフォーマンス:+45% 選挙後1年間のパフォーマンス:+24%

上記の平均:選挙前1年間のパフォーマンス:+25% 選挙後1年間のパフォーマンス:+25%

 

直近のドテルテ大統領が勝った選挙前1年間のパフォーマンス以外は、株価が非常に大きな値上がりをしていて、これらを平均すると、選挙前1年間も選挙後1年間も同じ25%株式が上昇するという高パフォーマンスを示していることがわかります。

 

ですから、この選挙イヤーというのは、株の仕込みどころではないかと考えられます。さらに現在のフィリピン株は、コロナのマイナス影響がまだ色濃く残っている割安の状態と言えますので、より仕込みのチャンスと言えるでしょう。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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