写真:PIXTA

大統領選まで1年を切ったフィリピン。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が、大統領選による株式市場への影響についてレポートします。

フィリピン大統領選…恩恵を受けるセクターは?

では、どのようなセクターが選挙の恩恵を受けるのでしょうか? 真っ先に思い浮かぶのがメディアセクターです。フィリピンではテレビを活用した政治、選挙活動が活発ですので、キー局は間違いなく恩恵を受けると考えられています。 

 

2大キー局の1つであった「ABS CBN」が免許更新できなかったことにより、現在フィリピンは「GMA7」が一強という状態になっています。以前両社の市場シェアは35~40%程度で、拮抗していましたが、現在は、「GMA7」がテレビの広告市場シェアの65~70%程度を抑えていると見られています。ですから、選挙関連の広告収入も「GMA7」に集中することになりそうです。今年は「GMA7」にとって非常に良い年になると考えられています。

 

ただ、フィリピンではメディア企業への外国資本の規制がありますので、我々外国人の投資用に「GMAP」というティッカーコードで株式が用意されています。これは、「GMA7」と株価が連動しています。

 

また、これから候補者の集会などがどんどん増えてきますので、そこで振る舞われる食品や雑貨などの株式が上がると言われています。消費関連企業、特に小売業やレストラン(デリバリー含む)は、上院議員や大統領候補、さらには市長や知事が、地元の有権者を集めて様々な活動を行う際に利用されるので、大きな追加需要が発生すると考えられています。

 

関連企業として想定できるのが、フィリピン最大の外食企業「ジョリービーフード(JFC)」、食品メーカー「センチュリーパシフィックフーズ(CNPF)」、最近上場し、今回フィリピン株総合指数(PSEI)にも新規に採用が決まったインスタント食品メーカー「モンデニッシン」、小売大手「ユニバーサルロビーナ(URC)」などでしょうか。

 

それ以外には、アメリカ・バイデン政権もインフラ投資に積極的ですが、フィリピンにおいても現大統領ドテルテ政権が残りの任期で、景気浮揚の意味も含めて『ビルド・ビルド・ビルド、リンク・リンク・リンク』政策を強力に押し進めるでしょうし、政権が代わってもインフラ整備は主要政策課題になるはずですので、そこに関連する銘柄、「サンミゲル(SMC)」「メガワイド(MWIDE)」「DMCI(DMC)」なども狙い目ではないでしょうか。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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