グループホームは「認知症患者版シェアハウス」?
認知症の方のために誕生したグループホーム「認知症対応型共同生活介護」をご存じですか? 「認知症と診断された方々が、その進行を遅らせることを目的として、介護職員の援助を受けながら共同生活を送る施設」のことをいいます。
居室は個室で最大15室を1ユニットとし、そのユニットの中に昼間共同生活を送るためのラウンジ(あるいは、ラウンジのような空間)が配置されています。
国の決まりでは、1施設3ユニットを限度とし、ユニットごとに共同生活を送りながら暮らします。「認知症患者版シェアハウス」と考えていただければ結構です。
■グループホームでの生活
普段は1ユニットという少人数で暮らします。入居者は食事や入浴などの支援を受けられるほか、手足の機能訓練などを行っています。居室は基本的に個室で6畳程度の広さ。台所、食堂、浴室は共同使用です。
各入居者の残された能力に応じ、料理や清掃といった日常の家事を職員と一緒に行ったり、同じ入居者の車椅子を押したり、生活動作を手伝うなど、お互いに助け合って生活しています。認知症の方でも、部屋に閉じ込めるのではなく、生活のなかでなんらかの役割を与えることで、自信を取り戻し、できることが増えるという好循環につながります。
そうすることで認知症の進行を遅らせ、グループホームでの生活をより長く続けることができるようになります。介護職員が24時間365日配置され、切れ目なく入居者を見守ってくれるという特長もあります。
グループホームは、「介護保険法」上では「地域密着型サービス」に分類され、住民票のある自治体のホームにしか入居できません。
例えば、大阪市内に住民票がある方は堺市内のホームには入居できませんのでご注意ください。入居の基準として要介護認定で要支援2以上と判定された方のみ入居が可能となっています。
比較的心身状態が安定している方が入居するため、都心部では空きが出にくい状況です。入居待機期間の目処が立ちにくいので、複数施設に同時に申し込むと良いでしょう。
荒牧誠也氏
株式会社ベイシス
取締役シニア事業部長
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