成功する株式投資「売ったほうがいい理由・売らないほうがいい理由」考察のポイントは? (※画像はイメージです/PIXTA)

株式投資は、実際に売却しないと利益も損失も確定しません。しかし、「いつ売るか」というタイミングもさることながら、より重要なのは「どういう理由で売るか」なのです。長年にわたり、大手証券会社で富裕層に資産形成のアドバイスをしてきた、経済コラムニストの大江英樹氏が解説します。※本記事は『あなたが投資で儲からない理由』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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極めて重要なのは「株価が下がった時」の対応

株で儲かるか損をするかが確定するのは売った時である。買った時点ではその後上がるか下がるかはわからないし、保有している間はいずれも評価益、評価損だから、実際に売らない事には利益も損失も確定しない。つまり、いつ売るかということがとても重要だ。

 

しかし売るにあたって大切なのは「いつ売るか」というタイミングもさることながら、さらに重要なのは「どういう理由で売るか」なのである。特に下がった時にどう対応するかは極めて重要だ。これを間違えて、売らずにいたらさらに下がることもあり得るし、売った後に上がるという悲劇も生まれてくる。そこで、どういう理由であれば売るべきであり、どういう理由なら売らない方がよいかを考えてみたい。

社会不安は様子見、個別企業の業績悪化はすぐ検討

まずは、株式市場において、株価が急落する理由だが、それは大きく分けると二つある。一つは2020年のコロナ禍のように社会不安が生じたり、政治的な変化や天変地異が起きたりといった突発的なあまり好ましくない事象によって大きな心理的不安が生まれる場合だ。これは純粋に経済的な事由ではないが、場合によっては経済全体にも大きな影響を与える可能性もある。

 

そしてもう一つは、世の中の景気動向が悪化したり、金利が上昇したりといった純粋に経済的な理由、特に投資をしている個別の企業の業績が悪化するといった、その企業に関する悪材料が生じた場合である。結論から言えば前者の場合は売るべきではないし、後者の場合は売った方がいいということが多い。

 

本来であれば、前者のような突発的事由の場合は、それが経済的に大きな影響を与えるものでなければ一時的な上げ下げがあったとしても元に戻ることが多い。ところが後者の場合は、下落が長引く可能性が高い。特に個別株に投資をしている場合、市場全体の要因ではなく、その企業自体の業績が悪化したり財務内容が劣化したりしていくのであれば、株価は長く低迷するということも起こり得る。

 

したがって、前者のように市場全体が突発的な事由で下げた場合、持っている株を慌てて売るのではなく、しばらく様子を見た方がいいが、後者のように個別企業の内容が悪化することが明らかになった時にはすみやかに売却するかどうかを検討した方がいいのだ。ところが多くの人は、それを逆に判断しがちである。

 

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株式会社オフィス・リベルタス 代表取締役 

経済コラムニスト。専門分野はシニア層のライフプランニング、資産運用及び確定拠出年金、行動経済学等。大手証券会社を退職し、2012年にサラリーマンの老後支援を目的に(株)オフィス・リベルタスを設立。書籍やコラム執筆のかたわら、資産運用、年金、シニアライフプラン等のテーマで全国で年間140回を超える講演を行っている。CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。主著に、『定年男子 定年女子』(共著、日経BP)、『経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)、『定年前』(朝日新書)、『資産寿命』(朝日新書)、『定年前、しなくていい5つのこと「定年の常識」にダマされるな!』(光文社)など多数ある。

著者紹介

連載株で儲かる人・儲からない人の境界線…「自分の頭で考える」投資術

あなたが投資で儲からない理由

あなたが投資で儲からない理由

大江 英樹

日本経済新聞出版

「儲からない」にはちゃんと理由がある。 マーケットが好調な時には、身の回りのいたる所に投資に関する情報があふれます。「投資は誰でもできる」「市場が好調なら誰でも儲かる」そんな言葉につられて投資を始めたものの、…

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