「油物はなるべく控えて」のはずが…病院食の小皿に乗っていた「おかず」 (※写真はイメージです/PIXTA)

入院中の食事問題。家庭やレストラン、居酒屋での味付けに慣れた患者さんにとって、塩分控えめの薄味病院食は、なかなか辛いものがあります。美味しいもの食べたい…と思うところですが、患者と病院の間には「まさかの思い違い」が生じていることも?

 

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術後の食生活へのアドバイスとの違いに惑う患者

救急車で運ばれた吉沢徹さん(男性・47/仮名)。就寝前に歯を磨いていたところ、みぞおちの辺りと背中に激痛が走り、119を呼びました。当直の医師に専門的な方がいなかったこともあり、その場では座薬を入れて一晩様子を見ることに。「翌日、改めて医師の診察を受けてください」と伝えられ、ひとまず病院を後にしました。

 

明朝、検査を受けた吉沢さん。なんと胆のうに大きな石があることがわかったのです。これまでにも何度か痛みがあったこと、そして救急車を呼ぶ事態になったことも心配され、手術が決まりました。

 

胆のうの摘出自体は腹腔鏡下手術で行なったため、時間も短く難しいものではありません。吉沢さんも例に漏れることなく、手術は昼過ぎには終了。術後の経過は安定しており、手術日は絶食でしたが、翌日の夕飯から食べる許可も出ました。

 

医師から手術の説明を受けていた吉沢さん。術後の食事の注意点についても、事前に教わっていました。

 

「何を食べたらいけない、ということは特にないけれども、油物はなるべく控えるようにしてください」

 

胆のうを摘出することで、胆汁を貯めておけず、場合によっては、腹痛や下痢の原因になってしまうから、と伝えられたのです。日ごろから揚げ物が好きだった吉沢さんは、「食べてはいけない」のではなく「なるべく控えるように」という言葉にホッとしました。

 

さて、最初の食事に話を戻します。やっと食べられると喜んでいた吉沢さんの夕飯はうどんでした。「消化にいいものから慣らしていくんだろうな」。そうと思った吉沢さんでしたが、その隣の小皿に乗ったおかずを見て驚きました。

 

天婦羅が乗っていたのです。

 

そんなに大きなものではなかったので「これくらいなら大丈夫っていうことか」と美味しくたいらげましたが、腹痛もなく、翌日に下痢をすることもありませんでした。

看護師が「怪訝な顔をして黙った」…そのワケは

腹腔鏡下手術のいいところは、術後の回復が早いことにあります。傷口の痛みこそあれ、リハビリで病棟内を歩くことも難しくありません。朝食のパンとサラダだけでは、他に悪いところもないためか、吉沢さん、すぐに空腹を感じてしまいました。

 

「病院の売店で何か買ってきて間食をしよう」

 

そう思いたち、売店で揚げせんべいを買ってきた吉沢さんは、病室で美味しく食べながらワイドショーを見ていました。

 

すると間もなくして、検温に訪れた看護師が、揚げせんべいを食べている吉沢さんに向かって「先生から油物はなるべく控えるように言われてましたよね? 食べ過ぎたらダメですよ!」と大きな声をあげたのです。

 

不思議に思い、「なるべく控えるように言われているけど、ひとつふたつくらいなら大丈夫でしょ? 夕飯だって天婦羅が出ていたくらいなんだし」と答えたところ、その看護師さんは怪訝な顔をして黙ってしまったそうです。「もしかして出すメニューを間違えたのかな……」と思わせるような沈黙でした。

 

しかしその後、回診で訪れた医師から、特に油物についての注意はありませんでした。退院した今も、大好きな油物もたくさん食べているものの、まったく腹痛にも下痢にも悩まされてませんよ、と話します。

 

「きっと人によっては油物がダメなケースもあるんだろうね。おそらく個人差なんじゃないのかな。医師が事前に、気をつけるように注意をしてくれたのもわかるし、看護師さんが注意をするのは当然なんだろうね。今思うと、看護師さんに天婦羅の話をしたとき、黙らないでほしかったかな(笑)。もしくは私が安心するような気の利いた言い訳でもしてもらいたかったかも。

 

食べて様子をみて、調子が悪くなったら報告してくださいね。様子を見ているので病院食以外の油物は食べないでもらいたいかな、って言ってくれたら、私も変な勘繰りをしないで済んだんだけどね。でも、生死にかかわる話でもないし、今では友だちと飲むときに、こんなことがあったっていうネタにしている程度ですけどね」

 

患者は、入院中や治療中、医師の言葉を信じているものです。そのなかで、聞いていた話と違う事態が起きれば、不安に陥ることもありえます。患者に寄り添う気持ちが大切だという話はよく聞きますが、なかには食事のメニューで難癖をつける患者がいるといった話も耳にします。そのために配慮をする医師や看護師さんたちの気苦労というのも、計り知れないものがあるのでしょう。

 

 

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