医師で文豪の森鴎外…「意外にも偏食だった!?」驚きの食事内容

『山椒大夫』『高瀬舟』といった名作を書き上げた文豪の森鴎外。彼は作家でしたが、軍医としての顔も持ち合わせていました。また、食通としても知られていた森鴎外ですが、一風変わった好みの持ち主でもあったそうです。作家だけではなく医者としても一流だった森鴎外の素顔に迫ります。

偉大なる医師は「大の甘党」だった!?

森鴎外は、東京帝國大学で近代西洋医学を修得した陸軍の軍医第一期生でした。彼は当時、医療の先進国だったドイツに4年間留学しました。

 

帰国後は当時の栄養学の最先端であった陸軍兵食試験の主任を務め、研究の日々を送っていました。明治40年(1907)に、は陸軍軍医総監に昇進。これは中将相当の階級であり、その後も軍医の人事権も握るトップの陸軍省医務局長までのぼりつめました。

 

日本では昔から、食事は白米と味噌汁、漬物が振る舞われていましたが、栄養バランス自体は決していいものではありませんでした。結果、脚気が流行し、今では考えられないほどの死者まで出てしまっていたのです。

 

1960年代の研究の成果から、脚気はビタミン不足が原因と解明されていますが、当時は細菌説が有力だったこともあり、鴎外もまたそれに賛同していました。国内では栄養説の研究が進んでおらず、鴎外も否定的な立場だったのです。

 

さて、鴎外は美食家としても知られていますが、風変わりな食事を好んでいたことでも有名です。たとえば大の甘党であったといわれていますが、甘いものと白米を一緒に食べるのが好きでした。極めつけはあんこの詰まった饅頭を4つ割にして、そのひとかけを白米の上に乗せ、煎茶をかけた饅頭茶漬けを好んで食べていたそうです。

 

たまにおやつとして食べたことがあった、というのでしたら、百歩譲って「好みの問題」と思えたのかもしれません。しかし、このメニューを食事として食べていたというから驚いてしまいますね。

 

また、野菜や果物も生では食べませんでした。衛生上の問題で必ず火を通して食べていましたが、果物などは煮るだけでなく、さらに砂糖をかけることもありました。こうした話を聞くと、味音痴だったのではないか、とも思えてしまいます。

 

ところが、鴎外は美食家としての一面も持ち合わせていたのです。軍医ということもあって出張の多かった鴎外ではありますが、外出先では料亭で振る舞われる料理以外は、卵焼きと梅干ししか食べなかったといいます。半端なものを食べるくらいなら、他にはなにもいらない、というのが彼の主張だったそうです。

「森鴎外が好んで通った店」3選

自らの食事には徹底したこだわりを持っていた鴎外でしたが、5人の子どもたちを連れて、外食にはよくでかけていたといました。そのなかでも、特に好んで通った店は3つあります。

 

ひとつは今でも上野で店を営んでいるフレンチの草分け的存在の『上野精養軒』。上野だけでも3店舗あり、今でもビーフシチューなど肉料理が人気の老舗です。鴎外だけでなく、太宰治なども通ったこの老舗に、子どもたちをよく連れて行ったそうです。

 

また、今では上野池之端に本店を構えている『伊豆榮』も鴎外のお気に入りでした。徳川8代将軍・吉宗公の時代から続いているこの老舗は、江戸前鰻の専門店。この店で振る舞われる鰻が大好物で、通い詰めていたほどだったそうです。食通ぶりの顔が垣間見れるエピソードですね。

 

もうひとつは銀座にあった天婦羅の『天金』。徳川15代将軍・慶喜公も好物だったというこの店は、残念ながら昭和45年(1970)に閉店してしまいました。ただ、当時の天金は東京でもっとも有名な店として知られており、鴎外の舌を満足させるに足りる美食だったのでしょう。

 

ただ、鴎外に連れられて外食通いをした子どもたちにしても、まんじゅう茶漬けだけはどうしても理解ができなかったようです。このことは子どもたちが残した手記にも書かれており、親族といえども相容れられる食い合わせではなかったのでしょうね。

 

数々の大作を残し、今では文豪としての名声を得ている森鴎外。軍医としての顔も持ち、陸軍医学会最高権威までのぼりつめた彼は、残念ながら大正11年(1922)、腎萎縮と肺結核のためにこの世を60歳という若さで去ってしまいました。常人とは相容れない食の好みもありましたが、美食家であったことも間違いはないのです。コロナ後、そんな医者としての鴎外に思いを馳せつつ、上野界隈を散策してみるのも面白そうです。
 

 

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