FRBは金融政策を据え置き
■米連邦準備制度理事会(FRB)は7月27日、28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置きました。
■声明文では、債券購入プログラムについて「雇用の最大化と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまで」現行ペースを維持すると改めて表明しました。
■また、「経済は最大雇用と物価安定の目標に向けて進展を遂げた」との文言が新たに追加されました。
テーパリングの議論を開始
■パウエル議長は記者会見で、資産購入減額(テーパリング)について議論したことを表明しました。
■ただし、債券購入を減額する時期はデータ次第としており、実際のテーパリング実施時期は未定となっています。また、「今後の複数の会合」で議論を行うとしていることから、テーパリングの時期は近づいてはいるものの、すぐに実施されるわけではありません。
金融緩和縮小は慎重に実施
■28日の米国市場では、株式市場、債券市場ともに小動きでした。テーパリングの議論開始はおおむね市場の想定通りでした。
■なお、FRBは「経済の先行きは引き続き新型コロナウイルスによって左右される」と感染再拡大への警戒感を解いておらず、パウエル議長はインフレについても「供給制約で一時的に上昇した価格はいずれ落ち着く」と述べています。こうしたことから、金融緩和の縮小はきわめて慎重に行われると見られます。
■今後の市場については、金融緩和縮小が意識されつつも、企業業績拡大によって株価は上昇を続けると予想します。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FRBはFOMCでテーパリングの議論を開始』を参照)。
(2021年7月29日)
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