(画像はイメージです/PIXTA)

人手不足が叫ばれる病院において、新人の医師が入ってくることは嬉しいことです。しかし、さまざまなトラブルが現場で発生していることをご存じでしょうか? ここでは、価値観の相違や考え方の違いなどから引き起こされた事例をもとに、いわばモンスターとさえ呼ばれかねない新人医師の行動をご紹介していきます。

「人の話を聞いてる?少しは自分でも考えてみようよ」

指導医のもと、研修医たちは処置の経験を積んでいくものなのですが、鼠径部から挿入しているカテーテルを使った検査のときのこと。心拍出量を調べるために、カテーテルにつけられた三方活栓から生理食塩水を注入することがあります。もともと凍らせておいた生理食塩水の溶けたものを注入するのですが、これには決まった分量があり、送り込むことで血液と混ざったときの温度変化によって出た数値から状態を判定するものとなります。

 

この三方活栓とは、鉄道のポイントのように、向きを切り変えることで注入できるようになり、操作自体は至極簡単なもの。しかし、注入量やタイミングなどを間違えると、得られるデータが変わってしまうので、研修医にとってはしっかり覚えておかなければならないのです。

 

こうした経験を積むことで、研修医はやがて一人前の医師になるのですが、なかには事前に勉強をしてこない研修医もいるから困ってしまうという声が聞こえます。1から10まですべて指導医に質問攻め。指導してもそのようにせず、独断とも思えるような処置をしようとする研修医までいるというのですから驚きです。

 

当然、指導医は研修医の処置の仕方に目を光らせているので注意します。場合によってはあとで呼び出し、叱っている場面もよくあるとのこと。ところが驚くことに、叱られた当の本人は原因をまったく理解していないのです。

 

「困った研修医の特徴として共通していることは、自分で考えて理解しようとしていない点ですね。あるいは、ただ言われるがまま、作業のようにこなそうとしている人もいます」。

 

こうした研修医には、日ごろの行動にも共通した特徴があるようです。1年目なのですから、会社でいえば新入社員です。ところが彼らは、自分たちは医者だぞと言わんとばかりに、肩で風を切ってあるくような高慢な態度に出ることもしばしばなんだそう。肝心なことには「暖簾に腕押し」状態で進歩がなく、指導医からすれば「やる気あるの?」と聞きたくなるようなこともあるんだとか。

 

人の命を預かる医師とは、尊い存在であり、患者は感謝の念を抱くもの。価値観の違いや多様性が叫ばれる時代になったとはいえ、基本姿勢には変わらざるものがなければいけないし求められているはずです。すべての研修医がそうではなく、向上心を持ち頑張っている方がほとんどなのだと信じつつ、彼らの改心を祈るばかりです。

 

 

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