(画像はイメージです/PIXTA)

人手不足が叫ばれる病院において、新人の医師が入ってくることは嬉しいことです。しかし、さまざまなトラブルが現場で発生していることをご存じでしょうか? ここでは、価値観の相違や考え方の違いなどから引き起こされた事例をもとに、いわばモンスターとさえ呼ばれかねない新人医師の行動をご紹介していきます。

「患者が聞いたので正しく答えただけ」

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の男性患者が入院したときのこと。医療チームには、主治医でのほかにも研修医がいて、それを数名の看護師たちがサポートしていたそうです。その患者もまた、家族と暮らせる日を夢見て、わずかな希望を持っての入院生活でした。

 

あるとき、その患者のところに家族が見舞いに来ていました。研修医が回診に訪れ、看護師といろいろ機器の数値をチェックしていたときに事件は起きました。

 

その難病患者が研修医に冗談交じりで「私はあと、どのくらい生きられるのかな」と聞いたのです。家族は「お父さん、先生たちが頑張って治そうとしてくれているんだから、そんな弱気なことを言わないで」と話をうやむやにしようとしたのですが、研修医は手を止めて、患者に向かって言ったそうです。「余命は長くても、1年くらいですね」。

 

このあと、ご家族から患者の生きたいという希望を医師が奪い取っていいのか、といった厳しい抗議が主治医にありました。主治医としては、現実を知ることで残された日々を、本人に大切に過ごしてほしいという意味も含めた回答だったがもう少し配慮すべきところはするよう検討する、といった内容の回答をされたようです。

 

主治医は研修医に、なぜ患者やご家族の前でそのようなことを言ったのか聞くと「患者が聞いたので、現段階での見込みを正しく伝えただけだ」と言われたそうです。

 

医師としての立場だけで言うなら、正しく患者の状況を伝えることは大切なこと。しかし、現在治療を受けている生きたいという希望を持つ患者に対して、デリカシーがないとも受け取れるこの発言をするくらいなら「人の生死は医者が決めるものではありません。今は治療に専念することが大事ですよ」という言葉が求められていたのではないか?と諭したそうですが、研修医は「それなら、あらかじめそういう対応をとれという指示をしてくれ」と言い返したそうです。

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