4-6月期GDPは+7.9%
幾何平均値では加速
■中国国家統計局は15日、主要経済指標を発表しました。4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.9%となり、5期連続のプラス成長となりました。新型コロナウイルスの影響の反動増で過去最高となった1-3月期(+18.3%)からは伸び率が鈍化したものの、コロナショックの影響を修正する「幾何平均値」によれば+5.3%と、1-3月期(+5.0%)から加速しており、堅調な回復が続いていることを示しました。
生産、投資、消費も安定した回復
■1~6月の鉱工業生産は前年同期比+15.9%と、1~3月の+24.5%からは減速しました。ただし、幾何平均値でみると、1~6月は+7.0%と、伸び率は1~3月(+6.8%)からやや拡大しています。
■1~6月の固定資産投資は前年同期比+12.6%と、1~3月の+25.6%から減速しました。幾何平均値では、1~6月は+4.5%と、1~3月(+2.7%)から加速しました。
■1~6月の小売売上高は前年同期比+23.0%でした。幾何平均値では、1~6月の伸び率は+4.4%と、1~3月(+4.1%)から拡大しました。
中国経済は安定した回復が続く
■中国の主要経済指標は前年同期比でみると、いずれも伸び率が鈍化していますが、コロナショックの反動の影響を修正した幾何平均値でみると、安定した回復を続けていることがわかります。こうしたなか、中国人民銀行は、経済の回復をより確実なものとするため「預金準備率」を0.5%引き下げました。金融政策の正常化ペースを若干遅らせるなどの微修正が下支えになり、中国経済の回復が続くとみられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国の4-6月期GDP成長率は+7.9%』を参照)。
(2021年7月16日)
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