「建物がきれい」「家から近い」で施設を選ぶのは危険
有料老人ホームは民間施設なので、行政の許可が必要ですが、サービス内容は自由に決められます。ですので、各施設、さまざまな特長をもって運営されています。
例えば
・看護職員を24時間365日配置することにより、医療依存度の高い入居者も受け入れ可能としている施設
・理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を複数人配置し、リハビリに強い施設
・介護職員を基準よりかなり多く配置することにより、認知症の入居者に手厚いサービスを行ったり、毎日楽しいレクリエーションを実施したり、入浴回数を増やしたり(原則2回/週)している施設
・ケアマネを複数配置し、その利用者に適したケアプランを立て、実践する施設
といったようなことです。
また、利用料金制度についても、高額な入居一時金(例えば数千万)を徴収する施設があったり、月額利用料金(家賃相当額、管理費、サービス費、食費など)も13万円/月~60万円/月までとさまざまです。
ですので、介護付き有料老人ホームを選ぶ場合は、
・入居対象者の身体状況
・入居対象者の医療依存度
・入居対象者の経済状況
をよく勘案し、最も適した施設を選ぶ必要があります。
「施設がきれいだから」「家に近いから」といった理由だけで決めてしまうと、あとあと後悔しますのでご注意ください。
介護施設が「2つの許認可」を取得しているか確認する
もう1つ注意しないといけないのは、介護保険を使って介護サービスを受けることが可能かどうかということです。
介護付き有料老人ホームで特定施設入居者生活介護の介護保険サービスを受けるために、
1.介護予防特定施設入居者生活介護
2.特定施設入居者生活介護
の2つの許認可を取っているかどうかを、注意深く見る必要があります。
2の許認可はどの施設でもたいてい取得していますが、まれに1を取得していないホームも存在します。
1を取得していないと、要介護認定が「要支援」の方は、ホームの介護保険サービスを受けることができません。
「自立」の方も、当然介護保険サービスを受けることはできません。「自立」の方が介護サービスを受けるためには、「自費」でホームの定めた料金を別途支払う必要があります。
入居前の契約でこのあたりのことは、ホーム側から十分説明があるので、しっかり聞いて判断しましょう。
荒牧誠也氏
株式会社ベイシス
取締役シニア事業部長
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