(写真はイメージです/PIXTA)

『介護の三ツ星コンシェルジュ――暮らしを豊かにするコラムサイト』を運営する株式会社ベイシスの取締役シニア事業部長である荒牧誠也氏が、多様化する介護施設の種類と有料老人ホームの特長、入居施設を選ぶ際の注意点等について解説します。

「建物がきれい」「家から近い」で施設を選ぶのは危険

有料老人ホームは民間施設なので、行政の許可が必要ですが、サービス内容は自由に決められます。ですので、各施設、さまざまな特長をもって運営されています。

 

例えば

 

・看護職員を24時間365日配置することにより、医療依存度の高い入居者も受け入れ可能としている施設

・理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を複数人配置し、リハビリに強い施設

・介護職員を基準よりかなり多く配置することにより、認知症の入居者に手厚いサービスを行ったり、毎日楽しいレクリエーションを実施したり、入浴回数を増やしたり(原則2回/週)している施設

・ケアマネを複数配置し、その利用者に適したケアプランを立て、実践する施設

 

といったようなことです。

 

また、利用料金制度についても、高額な入居一時金(例えば数千万)を徴収する施設があったり、月額利用料金(家賃相当額、管理費、サービス費、食費など)も13万円/月~60万円/月までとさまざまです。

 

ですので、介護付き有料老人ホームを選ぶ場合は、

 

・入居対象者の身体状況

・入居対象者の医療依存度

・入居対象者の経済状況

 

をよく勘案し、最も適した施設を選ぶ必要があります。

 

「施設がきれいだから」「家に近いから」といった理由だけで決めてしまうと、あとあと後悔しますのでご注意ください。

介護施設が「2つの許認可」を取得しているか確認する

もう1つ注意しないといけないのは、介護保険を使って介護サービスを受けることが可能かどうかということです。

 

介護付き有料老人ホームで特定施設入居者生活介護の介護保険サービスを受けるために、

 

1.介護予防特定施設入居者生活介護

2.特定施設入居者生活介護

 

の2つの許認可を取っているかどうかを、注意深く見る必要があります。

 

2の許認可はどの施設でもたいてい取得していますが、まれに1を取得していないホームも存在します。

 

1を取得していないと、要介護認定が「要支援」の方は、ホームの介護保険サービスを受けることができません。

 

「自立」の方も、当然介護保険サービスを受けることはできません。「自立」の方が介護サービスを受けるためには、「自費」でホームの定めた料金を別途支払う必要があります。

 

入居前の契約でこのあたりのことは、ホーム側から十分説明があるので、しっかり聞いて判断しましょう。

 

 

荒牧誠也氏

株式会社ベイシス

取締役シニア事業部長

 

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荒牧 誠也

幻冬舎メディアコンサルティング

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