※画像はイメージです/PIXTA

高齢化が進む近年、在宅医療が注目を集めています。在宅医療では、「訪問診療」という制度を利用することが一般的。この制度のもつメリットについて、 在宅療養支援クリニック かえでの風 たま・かわさき院長、宮本謙一氏が解説します。

とはいえ…自宅で受けられる医療処置のレベルって?

訪問診療で実施できる自宅での検査や医療処置は、医療機関によって多少異なっています。

 

CTやMRIなどの大きな機械を必要とする画像検査は、どの医療機関の訪問診療でも実施できませんが、簡単な検査や医療処置など、自宅でもできることが増えてきました。

 

検査については、血液検査や尿検査、心電図や簡単なエコー検査などが実施できます。

 

医療処置について、通常の点滴や注射はもちろん、小型のポンプを用いた高カロリー輸液や医療用麻薬などの持続皮下注(注射)、尿道カテーテルや胃ろうなどの交換および管理、腹水穿刺(せんし)(吸引)などの処置、在宅酸素療法や人工呼吸器の管理、軽度の外傷や褥瘡(じょくそう)(床ずれ)の処置などは、自宅でも安心して実施することができます。

 

自宅でも病院と変わらない検査や医療処置を実施できることを目指すというのは、一つの大事な方向性だと思いますが、一方で、在宅療養には、病院で治療を受けるのとはまったく異なるメリットがあります。

 

自宅でも病院と同じような診療を続けるのであれば、そのメリットが失われるかもしれません。

 

病状の進行具合や要介護度、患者さんの人生観やライフスタイルなどに合わせて、自宅ならではの充実した療養生活が送れるよう、私たち在宅医は日々丁寧な診療を心掛けています。

次ページ「通院・訪問診療」どちらもしたい…必要な手続きは?

※本連載は、宮本謙一氏の著書『在宅医療と「笑い」』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

在宅医療と「笑い」

在宅医療と「笑い」

宮本 謙一

幻冬舎メディアコンサルティング

在宅医療は、通院が難しい高齢の慢性疾患の患者さんや、がんの終末期の患者さんなどが、自宅で定期的に丁寧な診察を受けられる便利な制度です。 メリットは大きいのですが、うまくいかないときもあります。 医師や看護師…

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