とはいえ…自宅で受けられる医療処置のレベルって?
訪問診療で実施できる自宅での検査や医療処置は、医療機関によって多少異なっています。
CTやMRIなどの大きな機械を必要とする画像検査は、どの医療機関の訪問診療でも実施できませんが、簡単な検査や医療処置など、自宅でもできることが増えてきました。
検査については、血液検査や尿検査、心電図や簡単なエコー検査などが実施できます。
医療処置について、通常の点滴や注射はもちろん、小型のポンプを用いた高カロリー輸液や医療用麻薬などの持続皮下注(注射)、尿道カテーテルや胃ろうなどの交換および管理、腹水穿刺(せんし)(吸引)などの処置、在宅酸素療法や人工呼吸器の管理、軽度の外傷や褥瘡(じょくそう)(床ずれ)の処置などは、自宅でも安心して実施することができます。
自宅でも病院と変わらない検査や医療処置を実施できることを目指すというのは、一つの大事な方向性だと思いますが、一方で、在宅療養には、病院で治療を受けるのとはまったく異なるメリットがあります。
自宅でも病院と同じような診療を続けるのであれば、そのメリットが失われるかもしれません。
病状の進行具合や要介護度、患者さんの人生観やライフスタイルなどに合わせて、自宅ならではの充実した療養生活が送れるよう、私たち在宅医は日々丁寧な診療を心掛けています。