独居アルツハイマー患者の「症状が一気に進行した」恐しい理由 ※画像はイメージです/PIXTA

在宅療養支援クリニック かえでの風 たま・かわさき院長の宮本謙一氏は、患者さん宅を訪問するとよくペットに出会うといいます。本記事では、医師が実際に見てきた「在宅療養患者とペットとのエピソード」をご紹介します。

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在宅医療の想い雰囲気を一変させた「ペット」の存在

在宅医療の現場では、毎日たくさんのペットと出会います。犬と猫がほとんどですが、たまに亀や蛇などの変わったペットを飼っている方もいて、驚かされることもあります。

 

多くの患者さんや家族にとって、ペットはまさに家族同然の存在です。そして、つらい症状を和らげてくれる「癒やしの存在」でもあります。がんの痛みで苦しんでいる患者さんでも、ペットと遊んでいる時間だけは笑顔を取り戻し、痛みも和らぐという方は少なくありません。

 

50代の乳がんの末期状態の患者さんがいました。日に日に病状が進行し、患者さんの苦痛の訴えも増えていくなか、自宅での重い診療風景を一変させてくれたのはペットたちでした。

 

患者さんと真剣に話をしていたとき、ふと背後から気配を感じ、振り返ると、いつの間にか大きな犬と小さな猫2匹が姿勢を正して私の後ろに座っていました。一緒に真剣に話を聞いているように見えて、思わず患者さんと顔を見合わせて笑ってしまいました。

 

猫がいるのは知っていたのですが、普段の診察のときはどこかに隠れていて私の前に出てくることはありませんでした。飼い主さん=患者さんと私が真剣に話しているのを見て、いても立ってもいられず、後ろに来て姿勢を正して話を聞いていたのだと思います。患者さんの硬い表情がほぐれて、私も気が楽になりました。

 

ペットが診療の邪魔をすることもよくあります。もちろん、悪気はありません。飼い主を守るために必死なのです。足が痛くて寝たきりになった患者さんの場合、診察しようとすると大きな犬が間に立ちはだかり、うなり声を上げて威嚇します。家族が必死で遠ざけようとしますが、犬も必死で抵抗します。

 

私が診察して足の痛みの部位や程度を確認することが、飼い主をいじめているように見えるようで、特に足を触ろうとすると激しく吠えます。もちろん、痛みの確認の診察は必要最小限にすることを心掛けています。

 

認知症の患者さんの場合、ペットの存在は時に非常に大きなものとなります。

 

アルツハイマー型認知症が徐々に進行し、家族から同居を勧められていましたが、断固として拒否し、一人でペットの犬と一緒に生活を続けていた患者さんがいました。

在宅療養支援クリニック かえでの風 たま・かわさき 院長 医学博士

奈良県立医科大学卒業後、同大学の医局「第2内科」に入局。

第2内科の専門は喘息、肺気腫などの慢性呼吸不全、肺がんなどの呼吸器疾患、感染症、白血病など。病棟にて多くの患者の「緩和ケア」や「看取り」を経験。

誰もがいつかは「死」を迎えるという当たり前の事実に対して医師として何ができるかを考え、医師になって7年後に公衆衛生医師となる。

治らない病気をその手前で食い止めること、すなわち病気の予防に力を入れる。具体的には結核や新型インフルエンザなどの感染症対策、小児救急医療や周産期医療に関連する児童虐待対策、がん対策や生活習慣病対策などに従事。

2011年3月、東日本大震災の被災地の自治体や保健所に長期間派遣されたことを機に、もう一度、現場の医師として歩むことを決意。

その後、在宅医療の現場にたどり着くなかで「笑いヨガ」と出会い、「笑い」を在宅医療に取り入れる活動を行っている。がんや認知症を含めさまざまな疾患のある方に、在宅で穏やかに、楽しく過ごしてもらうことがモットー。

著者紹介

連載在宅医療を楽しみ、たくさん笑って過ごすために

※本連載は、宮本謙一氏の著書『在宅医療と「笑い」』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

在宅医療と「笑い」

在宅医療と「笑い」

宮本 謙一

幻冬舎メディアコンサルティング

在宅医療は、通院が難しい高齢の慢性疾患の患者さんや、がんの終末期の患者さんなどが、自宅で定期的に丁寧な診察を受けられる便利な制度です。 メリットは大きいのですが、うまくいかないときもあります。 医師や看護師…

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