写真:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大、ワクチン接種の遅れから、2021年のGDP成長率予測が軒並みダウン予測となっているフィリピン。一方で経済回復の期待感から、株式市場は盛り上がりをみせています。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が、フィリピン株式市場の最新トピックスを解説します。

ワクチン接種の加速に合わせて株式市場も本格回復

外国人投資家の買い越しは3週連続で増加し、先週は2億9,200万ペソでした。機関投資家もフィリピンの株式市場の本格回復に確信を持ってきたように見えます。

 

6月のブロックセールスを除いた外国人買い越し累計は約10億ペソです。外国人の信頼が回復した背景には、国内のワクチン展開が加速していることが挙げられます。

 

約1170万回の接種が実施されており、フィリピンの人口の約8%に相当する880万人が1回目の接種を終え、約290万人が2回目の接種を終えました。過去7日間の平均接種数は23万人です。今のところ、約1,700万本のワクチンがあり、目標とする7,000万人の集団免疫の約12.5%に相当します。

 

今の株式市場は、ワクチン接種と株価が連動していますので、2021年一時12%も下落していたフィリピン株式市場ですが、上昇に転じ、現在は1.9%の下落水準までリカバーしてきました。

 

PERに関しては、2021年の利益予想ベースで19.7倍となっており、5年10年の過去の平均値である18~18.2倍に比べて割高に見えます。しかし、フィリピン株式市場の今後2年間の成長予測を組み込んだペッグレシオを見ると0.48と1以下であり、フィリピンの株式市場の潜在的な成長力に比べて、まだ過小評価されていることがわかります。

 

フィリピン総合指数は心理的抵抗ラインである7000を突破しました。しかし、まだ大量の出来高に支えられていないため、一時的に7000円台を割り込む可能性はあると思います。

 

次の2週間は、市場は主要企業の決算をチェックし、企業収益の回復のペースを測ることになると思われます。

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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