(写真はイメージです/PIXTA)

「終活」と聞いて「具体的になにから始めればいいのかわからない」という人が多いでしょう。リポーターで一般社団法人終活協議会理事の菊田あや子氏は、終活では、医療・介護・相続・保険・葬式・墓の6つが重要になると述べています。今回の記事ではその中の医療、介護についてポイントを解説します。

もしもの時のために!知っておくべき介護施設8種

■介護について

 

これからの高齢者にとって、介護は欠かせないテーマです。一言で介護施設といっても入居者の状況によって入居する介護施設は変わってきます。代表的なものを挙げておきます。

 

□介護付き有料老人ホーム

入浴や排泄や食事の介護、家事全般、健康管理を提供することを目的とする老人ホームです。ホームの職員が介護保険サービスを提供します。

 

□住宅型有料老人ホーム

基本的に介護サービスを提供しない老人ホームです。ただし、入居者が要介護になった場合は、入居者自らが外部の介護サービス事業者と契約をして介護サービスを利用します。

 

□サービス付き高齢者向け住宅

いわゆるサ高住と呼ばれる施設で、高齢者住まい法に基づき登録されるバリアフリー構造の住宅です。ケア専門家による安否サービスや生活相談サービスが受けられます。

 

□健康型有料老人ホーム

いわゆる老人ホームです。ホームは介護サービスを提供せず、介護が必要となった場合は契約を解除して退去しなければなりません。

 

□グループホーム

認知症の高齢者が少人数で生活を送りながら、専門スタッフによる身体介護と機能訓練レクリエーションなどが受けられます。

 

□ケアハウス(軽費老人ホーム)

身寄りがない、または家庭環境や経済状況により、家族との同居が困難な高齢者が、自治体の助成を受ける形で入居する福祉施設。比較的低額な料金で入居できます。

 

□特別養護老人ホーム

いわゆる特養と呼ばれる老人ホームです。常に介護が必要な状態で、居宅において適切な介護を受けることが困難な高齢者が入居します。

 

□介護老人保健施設在宅

復帰を目指して、看護、医学的管理下での介護、機能訓練等の必要な医療、日常生活上の世話を行うことを目的とした高齢者施設です。

 

[図1]介護施設の費用と目安
[図1]介護施設の費用と目安

 

以上が現状における代表的な介護施設です。まずは、これら施設のバラエティを理解して、自分が「要介護になった場合に希望する施設」を考えておきましょう。

 

要介護度によっても異なると思いますが、「暮らしている家を中心にした在宅介護を希望する」「子どもたちの暮らす家を中心とした在宅介護を希望する」「老人ホームなどに入所し、施設での介護を希望する」「在宅介護を希望するが、状況によっては施設でも構わない」「家族の判断に任せる」などから、希望を伝えるといいと思います。

 

介護される状況が近くなった場合はもちろん、健康な状態のときから、あらかじめ施設などの資料もまとめておくといいでしょう。

 

また、介護費用についても「私の貯金や年金・保険でまかなってほしい」「私の財産と子どもたちの援助を合わせてお願いしたい」「家族にお願いしたい」のうちから希望を出します。費用についての概算も考えておくとなおいいと思います。

 

さらには「要介護状態になった場合の財産管理」も考えておきたいことの一つです。「配偶者や子どもたちに任せる」のか「後見人に任せる」のか。後見人に任せる場合は、あらかじめその人物に許可を取り、氏名、住所、電話番号などを記しておくといいでしょう。

 

まだ自分が元気なときに、介護についてイメージするのは、難しいことですが、あらかじめ考えておいて無駄になれば、それはとても幸せなこと。万が一に備えて、介護をイメージすることは、とても大切です。

 

 

菊田 あや子

リポーター

一般社団法人終活協議会理事

 

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本連載は書籍『エンジョイ! 終活』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

エンジョイ! 終活

エンジョイ! 終活

菊田 あや子

幻冬舎メディアコンサルティング

年を重ねるごとに大きくなる不安は不安の正体を知ることで解消できる。グルメレポーターであった著者が母を看取り、今思う「終活」の大切さとは。

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