日本の「特許出願件数」は世界有数
かつては技術大国であった日本ですが、近年、研究力低下が指摘され、その一因が「博士離れ」にあるといわれています(関連記事:『世界の学術論文数ランキング「博士離れ」で日本の凋落が鮮明に』)。
修士課程から博士課程への進学率*1は、1981年度の18.7%から2020年度9.4%と、40年で半減。それに合わせて世界の学術論文(科学系分野)数は、2000年には1位「米国」30万4782件、2位「日本」9万7048件だったのが、2018年には9万8793件で5位まで転落(1位「中国」52万8263件、2位「米国」42万2808件、3位「インド」13万5788件、4位「ドイツ」10万4396件)。日本では2006年の11万2127件をピークに減少傾向にあり、ちょうど「博士離れ」の流れとリンクするカタチになっています。
*1 文部科学省『学校基本調査』より
*2 NSF(National Science Fundation)より
研究と同様に論じられるものに「特許」があります。そこで「特許出願数(自国を含む世界で出願した特許の総件数)」について、見ていきましょう。WIPO (世界知的所有権機関)によると、2019年の特出願数のトップは「中国」で1,328,067件。続く2位は「米国」の521,735件。日本は3位で453,816件となっています(関連記事:『世界「特許出願数/国際特許出願件数」ベスト20』)。
【世界の「特許出願数」ベスト10】
1位「中国」1,328,067件
2位「米国」521,735件
3位「日本」453,816件
4位「韓国」248,551件
5位「ドイツ」178,359件
6位「フランス」67,390件
7位「イギリス」54,794件
8位「スイス」46,147件
9位「オランダ」35,468件
10位「インド」34,052件
出所:WIPO (世界知的所有権機関)
世界で第3位と健闘している日本ですが、それからさかのぼること8年の2011年。トップは「日本」で47万5070件の出願をしていました。ちなみにこの時の2位は「米国」で44万719件、3位は「中国」で43万6168件。その翌年には「中国」が56万1405件でトップとなり、日本は49万271件と2位になりました。
さらにさかのぼること、バブル崩壊前夜の1990年。当時の「日本」の特許出願数は33万2956件で世界トップ。第2位は「米国」で9万910件と、圧倒的な差が開いていました。驚くことに2011年まで一度も世界1位の座を譲ることなく、日本は世界一の特許出願大国だったのです。
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