退職金特別プランは本当に“特別プラン”である
退職金特別プランの"抱き合わせ"の正体とは
投資信託を申し込むと、同額の定期預金の利率がグッとアップするという、退職金特別プランもよく見かけます。
利率は、なんと6%くらいまで跳は ね上がります。定期預金の利率が0.002%という時代ですから、驚くほどお得に思えます。
ただ、よく見ると小さい字で「3か月もの」と記載されています。ようするに、3か月だけ6%が適用され、その後は通常の利率にもどるわけです。
もっとも、3か月6%を年利に直すと1.5%になり、それでも有利です。1000万円を預ければ、15万円の利息がつきます。
しかし、半分以上の金額を投資信託で申し込むこと、となっている条件がクセモノなのです。
投資信託を申し込むと、購入手数料は3%です。定期預金と同額の1000万円を申し込めば、手数料は30万円。
実際は手数料として、利息の2倍の額を払うしくみになっています。有利な金利は見せかけでしかありません。
投資信託は購入手数料がかからないノーロードの商品が増えていますが、そういった商品は対象外です。しかも、この手数料は購入価格1000万円に含まれているため、気づきにくいのです。
2000万円の退職金特別プランとは、マイナス15万円のリスクを背負って始めるプランを意味します。
銀行にだけ、うま味のあるプランだといっても過言ではないでしょう。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員