フィリピン・ユニコーン上場企業が国際的指数に採用
昨年ユニコーン上場として注目されたブロードバンド通信の「Converge」が、ロンドン証券取引所が算出する国際的な指数FTSE renaissance IPO indexとFTSE ASEAN all share indexに採用されたことにより、世界の機関投資家からの投資が入ってくることになり、株価の底上げが期待されます。
同じく昨年上場した食品メーカー「Merry Mart」の主要株主である「Injap」のロックアップ期間が終了しました。「Injap」は「Merry Mart」の約60億株を保有しており、市場での取引が可能になりました。
そして最後に、昨年の「AREIT」の上場から始まったフィリピンREITですが、700億ペソ近くの上場候補が準備されています。「FLI」や「RLC」、「Megaworld」は今年中にREITの上場を目指しています。「FLI」は8月の第1週までに、「RLC」は9月の第3週までに、「Megaworld」はまだ発表されていませんが、それぞれREITのIPOを予定しています。
昨年がフィリピンのREIT元年で、現在「アヤラ」と「ダブルドラゴン」の2本のREITが上場されていますが、マニラ、セブを中心に、不動産ディベロッパーによる都市開発事業は、長年に渡り堅調なため、多くの大手ディベロッパーがREIT上場を準備しています。
アフターコロナを見据え…増配が予想される企業
主要企業の業績予想ですが、2021年は50%程度の増益が予想される力強いものとなっています。集団免疫が達成される2022年にはさらに強い成長が見込まれています。過去10年間でGDPを3倍にしたフィリピン経済の本来の姿が戻ってきます。特に大きな増益が予想されているのが「アヤラランド(ALI)」。118.1%増です。
2020年のロックダウンのピーク時に、すべてのモールが閉鎖され、オフィスも閉鎖され、一部のテナントの支払いも滞っていました。また、テナントに対して家賃の1~2ヵ月分を免除するなどの救済措置を講じていましたので、その反動での増益です。
そして、「ICT」は2021年は580%増益です。同社は国際的な港湾管理会社ですので、世界経済の回復の回復から大きなベネフィットを享受します。日本の海運株もかなり値をあげています。
1週間のフィリピン株の動きを見てきましたが、ワクチン接種が進むに連れて、株価の戻りが鮮明になってきました。もともと経済のファンダメンタルズ、成長ポテンシャルの高い国ですので、コロナの影響が薄れていく中、従来の7~8%程度の経済成長率に戻っていくものと考えられます。
また、来年は選挙イヤーでドゥテルテ大統領の任期も終盤にさしかかってきますので、政策の目玉であるBuild Build Build Link Link Linlkの交通インフラ整備を急ピッチで進めていき、これも景気への大きなテコ入れになります。また、フィリピンの主要産業であるBPOは世の中のDX化の流れの中で、成長を加速していますので、フィリピン経済へのより大きな貢献が期待されています。