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米国株式:デジタル化の加速は続く
新型コロナウイルスは、わずか数ヵ月の間に、私たちの生活様式や働き方、また企業経営に数年分の変化をもたらしました。「一部の企業のビジネスモデルは、2020年に3年から4年分も進化しました」と、株式ポートフォリオ・マネジャーのクリス・ブックバインダーは述べています。
米国の決済総額に占めるデジタル決済の割合は2019年の9%から2020年には15%へと大幅に上昇しました 。インターネットなどを活用した遠隔医療は、パンデミック前はごく一部での利用に過ぎませんでしたが、2020年にはプライマリーケア診療の約20%を占めるまでになりました。このような行動変化は長期にわたって持続するのでしょうか。
こうしたビジネスで先行する多くの企業の株価は2020年に急騰しましたが、最近は低迷しています。それでも、成長トレンドは依然として堅調です。マスターカードとペイパル・ホールティングスのデジタル決済サービスと同様に、「Amazon Web Services」やマイクロソフトの「Azure」といったクラウド・サービスへの需要も増加しています。ウィリアムズ・ソノマやターゲットなどの一部の伝統的な小売業者も、Eコマースに注力するようになっています。
ブックバインダーは次のように述べています。「一部の分野では成長がやや鈍化するかもしれませんが、成長トレンドそのものが反転するとは考えていません。たとえば、多くの動画ストリーミング会社は、新作映画を劇場公開と同時に配信しています。人々が映画館に再び行けるようになると、こうした慣行は終わるのでしょうか。私はそうは思いません。」
欧州株式:経済活動再開の追い風に期待
世界の他の多くの地域と同様に、EU (欧州連合) においてもワクチンの普及が加速しています。新規感染者数の減少によって移動制限がさらに緩和され、夏には経済活動が活性化するとみられます。緊急財政支援は2021年末まで延長されており、欧州復興基金はイタリア、フランス、スペインを中心に、今後数年間の成長を後押しする見通しです。
多くの欧州企業は、中国の急速な景気回復の恩恵を享受しており、中国向けの輸出が増加しています。特に、自動車や高級品といった欧州製品に対する需要は堅調です。
これらのセクターには、自国市場の近くでも追い風が吹いている可能性があります。弊社グループのエコノミストのロバート・リンドは、2021年後半には欧州主要国の消費需要が大きく伸びると予想しています。とりわけ、パンデミック期間中に「超過」貯蓄が積み上がったことは、消費の繰延需要の顕在化を促すと考えています。
すでに小売セクターではこうした回復が顕著であり、欧州全域で外出制限の多くが緩和された3月以降、強い回復がみられます。