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世界各地で景気が急回復:主要国経済が活気を取り戻す
2020年11月に新型コロナウイルスのワクチンの有効性が示され、世界がウイルスによるロックダウンから解放される道筋が明確になりました。パンデミックの暗雲は去り、人々は日常生活を取り戻すことを心待ちにしています。ただし、多くの国々では新型ウイルスの感染拡大が未だに続いているため、克服すべき障害がまだ多く残っていることは確かです。
しかし、今後の展開としてIMF (国際通貨基金) は、年後半から2022年にかけてワクチン接種が進展し、行動制限が解除されるにつれ、主要国経済は堅調に成長すると予想しています。
実際、IMFは世界の成長率予測を大幅に上方修正しました。なかでも、政府による数兆米ドルもの景気対策や消費の繰延需要に後押しされる米国の2021年の成長率は6.4%に引き上げられました。これは1月時点の成長率予想 (3.1%) の2倍以上の水準で、米国の個人所得が今年3月に過去最高の前月比21.1%増と大幅に伸びたことを受けたものです。
景気回復のカギを握っていたのは、経済活動が停止していた期間に十分な経済対策があったかどうかです。ワクチン接種が進展すれば、新型ウイルスの収束が早まるため、成長率は市場予想をさらに上回る可能性があります。
インフレの高進は一時的となる公算大
繰延需要と前例のない景気対策に後押しされ世界経済が回復するなか、インフレ懸念が高まっています。しかし、労働市場の回復は道半ばであり、ワクチン接種ペースが鈍化していることを踏まえると、懸念は行き過ぎの可能性があります。
一部原材料や消費財の価格は上昇していますが、全般的な物価上昇の兆候は短期的なもので、持続的かつ長期的なインフレ圧力にはならないとみられます。
ECB (欧州中央銀行) は2021年6月の理事会で金融政策の据え置きを発表しました。英国でも景気回復ペースの見通しが一層明確になるまでは政策金利は維持されるとみられます。日本では、インフレ率が目標の2%にほど遠いため、日銀は当面、緩和的なスタンスを維持する見通しです。
歴史的に見て、原材料価格の急騰は、米国の長期的なインフレの一般的な指標であるコアCPI (食品とエネルギー価格を除く) にはあまり影響を及ぼしません。
景気対策によって需要が喚起される一方、供給は新型ウイルスの影響で制約を受けているため、米国では今後数ヵ月でインフレ率が上昇するとみられます。これは米国経済が新たな均衡を見出そうとするプロセスです。景気対策が縮小され、経済活動が全面的に再開されれば、インフレ率は年2%程度のパンデミック前の水準に戻る見通しです。
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