(※写真はイメージです/PIXTA)

投資で老後資金を作るには「長期・分散・積立」が重要だとされていますが、リスクを抑えるには、特に「分散」を意識することが必要だといいます。それはなぜでしょうか? 本記事では、「4つの分散」の効果を中心に見ていきます。※本連載は、横山光昭氏の著書『長い老後のためのお金の基本』(筑摩書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

慎重に運用するなら「ドルコスト平均法」がおすすめ

とはいっても、大事な老後資金ですから、減らさないように慎重に運用するにこしたことはありません。そのためにおすすめなのは、一度に投資するのではなく、一定額を積み立てのように投資していくやり方です。別名「ドルコスト平均法」ともよばれる方法です。

 

たとえばある投資商品を毎月1万円だったら、1万円で買えるだけ購入します。市場が安いときは1万円で、たくさん買えますし、高いときは少ししか買えません。それを続けていくと、長く続ければ続けるほど平均の単価が抑えられます。

 

以下の図表ではわかりやすく、特定の株を毎月100株ずつ購入した場合と、毎月1万円ずつ購入した場合(こちらがドルコスト平均法です)の違いをあげてみました。

 

【図表】ドルコスト平均法だと平均買付単価が安くなる
【図表】ドルコスト平均法だと平均買付単価が安くなる

 

図を見てもわかる通り、1万円ずつ購入する「ドルコスト平均法」を選んだほうが、投資額が少なくて、しかもたくさんの株数を獲得できることがわかります。

 

このやり方がとても便利なのは、放っておけばいい点です。基本、毎回考える必要がないのです。毎月、マーケットの動きを正確に予測できる人などいません。下手に予測して、「これから上がるだろう」とたくさん買ってみたら、リーマンショックのように世界同時株安が起きて、大損するなどということも起きてしまいます。

 

でも、毎月一定額を買い続ける「ドルコスト平均法」だと、世界同時株安が起きたときはたくさん買い付けができますし、市場が高騰しているときは、少ししか買い付けしません。要するに、安いときにたくさん買って、高いときは少ししか買わないので、パフォーマンスがいいのは当然です。

 

なにより、市場の変動にいちいち一喜一憂しなくてすむ点も大きいでしょう。投資をしていても精神的に安定していられるので、投資初心者にはとても心強いことです。

 

横山 光昭

株式会社マイエフピー代表取締役

家計再生コンサルタント

 

 

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長い老後のためのお金の基本

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