時流が可逆的なものか不可逆的なものかを見極める
■一時的な変化と構造的な変化の混同に注意
時流をとらえるという考え方で注意しなければならないのは、一時的、可逆的な変化と、構造的、不可逆的な変化を混同しないことです。
ハンコが使われなくなる、紙の印刷が減るといった変化は構造的な変化であり長期的に不可逆な変化です。そのような産業では、ビジネスモデルを変化させるといった対応策が必要になります。
一方、コロナ禍の状況で、飲食業をはじめ、インバウンドを当て込んだ宿泊業や旅行業、あるいは音楽やスポーツなどのイベント関係業も大きく落ち込んでいます。そのため、足元では、これらの産業に対するM&Aの買い手の需要も大きく落ち込んでいます。
しかし、これらの産業自体が人間にとって不要になったわけではありませんから、いずれコロナ禍が沈静化すれば再び復活することは間違いありません。一時的、可逆的な変化です。
そう考えると、いずれ復調したときに備えて、拡大の準備をしておくというのも、時流をとらえる一つの方法かもしれません。
牧田 彰俊
株式会社すばる
代表取締役
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