FRBは金融政策を据え置き
■米連邦準備制度理事会(FRB)は6月15日、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置きました。
■また、債券購入プログラムについて、「雇用の最大化と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまで」現行ペースを維持すると改めて表明しました。
利上げ予想は上方修正
■声明文では、「ワクチン接種の進展は、公衆衛生の危機が経済に及ぼす影響を引き続き減らす可能性がある」と指摘し、経済の正常化に期待を示しました。
■FOMC参加者による成長率見通しの中央値では、2021年10-12月期の実質GDP予想が前年比+7.0%と前回3月の+6.5%から上方修正されました。
■また、利上げ予想の中央値では、2023年中に2回の利上げ見込みが示され、前回3月の0回から上方修正されています。
金融緩和の縮小はゆっくり
■16日の米国市場では、株式市場、債券市場ともに下落しました。利上げ予想の中央値が上方修正されたことで、金融緩和縮小への警戒感が出たことが理由です。ただし、パウエル議長はFOMC後の記者会見で、「利上げ予想は参加者個人の予想であり、FOMCとしての予測や計画ではない。今回の会合では利上げをいつ実施すべきという議論はなかった。利上げの議論は時期尚早だ。」と述べました。インフレについても、「供給制約で一時的に上昇した価格はいずれ落ち着くだろう」と述べています。こうしたことから、金融緩和の縮小はきわめてゆっくり行われると見られます。今後の市場については、金融緩和縮小が意識されつつも、企業業績拡大によって株価は上昇を続けると予想します。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FOMCの結果からみる市場へのインプリケーション』を参照)。
(2021年6月17日)
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