本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

5月はほぼ横ばい

■2021年5月のアジア・オセアニアのリート市場はほぼ横ばいとなりました。現地通貨ベースでみた5月のアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは+0.0%、シンガポールは▲2.9%、香港は+2.0%、オーストラリアは+1.1%でした。

 

■また、円ベースでみたアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは+0.4%、シンガポールは▲2.1%、香港は+2.5%、オーストラリアは+1.2%となり、為替効果はプラスとなりました。

 

(注)データは2020年1月1日~2021年6月7日。S&P先進国REIT指数の各国・地域REIT指数(配当込)、現地通貨ベース。2020年1月1日を100として指数化。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
各国・地域のリート指数の推移 (注)データは2020年1月1日~2021年6月7日。S&P先進国REIT指数の各国・地域REIT指数(配当込)、現地通貨ベース。2020年1月1日を100として指数化。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

シンガポールリートが軟調

■5月のシンガポールでは新型コロナウイルス変異株の市中感染が複数確認され、ソーシャルディスタンス規制や入国制限が強化されたことで景気回復期待が後退し、リート市場も軟調に推移しました。5月26日の開始が予定されていた香港とのトラベルバブル(感染が落ち着いている国・地域間で相互に隔離なしの一般渡航を認める制度)は延期されました。香港リート市場は、国内総生産(GDP)や小売売上などが堅調で、国内景気の回復が好感されて上昇しました。豪州リート市場は、資源価格の上昇などを受けた想定を上回るペースでの国内景気の回復を背景に底堅く推移しました。

経済再開期待を背景に堅調な推移へ

■各国の大規模な金融・財政政策やコロナワクチンの普及などから景気は回復傾向にあります。今後も経済再開の恩恵、相対的に高い配当利回りからアジア・オセアニアのリート市場は堅調に推移すると予想します。

 

シンガポールリート市場は、今後国内の新規感染者が落ち着くとともに、経済正常化期待が高まる展開を予想します。足元の市中感染増加を受けて、渡航制限やソーシャルディスタンス規制強化など、徹底した感染抑制対応がなされていることから、今まで通り感染の流行は短期で抑え込まれる可能性が高いとみています。また、国内の新規感染者が落ち着き、規制が緩和されるとともに経済正常化が進むとみています。香港リート市場は、内需の回復とともに堅調な推移を予想します。豪州リート市場についても、良好なファンダメンタルズの下、堅調な推移を予想します。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『アジア・オセアニアのリート市場は横ばい』を参照)。

 

(2021年6月10日)

 

関連マーケットレポート

2021年6月9日 主要な資産の利回り比較(2021年5月)

2021年6月2日 豪州準備銀行は金融政策を据え置き

 

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