2020年に突如として世界を襲った新型コロナウイルスの猛威はいまだ収束を見込めていませんが、それは「投資するべき国No.1」にも選ばれたフィリピンでも同じこと。一方で、コロナ収束後を見据えた絶好の仕込み時と捉える動きも。世界の投資家が注目するフィリピン株式市場について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏がレポートする本連載。今回は本格的に上昇基調に入ってきた感のあるフィリピン株式市場のなかで、割安感のある銘柄に注目します。

ALLHC:eコマース普及で物流業界にも期待感

次は「ALLHC」です。同社は「アヤラグループ」の物流企業です。TTMのPERが29.4なので、一見割高に見えます。ただフィリピンにおける物流事業の将来性と「アヤラグループ」の資本力を鑑みれば、これから大きな事業拡大が期待できます。

 

物流企業は、倉庫などの物流センターに多額の投資が必要ですので、「アヤラグループ」の資本力が大きなアドバンテージになると思いますし、「アヤラグループ」は「AREIT」の上場でオフィスビルのREITを組成していますので、そのノウハウを物流施設に展開してさらに成長にドライブをかけることもできると思います。フィリピン株式市場には、アヤラプレミアムという概念があって、「アヤラグループ」企業は同業他社よりも高い株価がつく傾向があります。

 

また、フィリピンでは、ドテルテ大統領の『Build Build Build Link LinkLink』という交通インフラ整備政策が急ピッチで進んでいますので、交通渋滞が解消されていきますし、ほとんど誰でもスマホを使いこなすインフラはすでにありますので、eコマースの普及が大きく進んでいくことが予想されています。「Shopee」と並ぶフィリピンの人気ECサイト中国のアリババ傘下「Lazada」には、アヤラグループが出資しており、「ALLHC」との相乗効果が期待できます。

セブ・ランドマスター:直近株価3割上昇の注目株

次は、ここ数週間特別配当で話題になっている「セブ・ランドマスター」です。ここ数日でも30%程上昇しています。それでもTTMベースのPERは5.6程度と低いです。

 

この会社は新進気鋭の不動産ディベロッパーで非常に元気の良い会社です。すでに多くのプロジェクトを抱えています。ビサヤとミンダナオ地域、特にセブ、イロイロ、ダバオでは、すでに大きなプレゼンスを示しています。ローコストからハイエンドまで様々なプロジェクトを手がけており、最初は戸建分譲からスタートし、今ではハイエンドのコンドミニアム開発も手がけています。「セブ・ランドマスター」の創業者は「Ayalaland」出身で、「アヤラグループ」のノウハウを同社の事業にも持ち込んでいます。

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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