前回は、アセット・マネジメント会社による不動産購入のプロセスを説明しました。今回は、「クラウドファンディング」の種類などを見ていきましょう。

クラウドファンディングで誰もが投資できる時代に

前回まで説明したように、私募ファンドでは、デューデリジェンスなど用意周到な準備作業を経て購入された不動産が、AM会社などの専門家によって管理・運営されています。

 

連載第1回で、私募ファンドはプロの投資家のために開発されてきたと述べましたが、逆にいえば、これほどまでに慎重な吟味を行っているからこそ、プロの投資家も安心して私募ファンドに巨額の資金を投資できるといえるでしょう。

 

そんなプロの投資家が安心感を持って資産運用の手段としてきた商品に、クラウドファンディングによって誰もが投資できるようになるなどとは、10年前にはとうてい考えられませんでした。ITの進化がもたらした、まさに〝投資の革命〟といえるでしょう。

 

では、このクラウドファンディングを用いて、具体的にどのような形で不動産ファンドの投資を行っていくのか――筆者の会社のグループ会社である、LCレンディングが手掛ける商品を例としながらみていきましょう。

クラウドファンディングは大きく分けて2種類ある

LCレンディングが手掛ける商品は「レンディング型」のクラウドファンディングにより組成され、運用されています。

 

また、クラウドファンディングにも様々なタイプがあり、大きく分ければ、まずモノやサービスがリターンとなる「非投資型」と、金銭(金利・配当)がリターンとなる「投資型」の2種類が存在します。

 

「非投資型」はさらに、寄附の形で資金を提供する「寄附型」と、モノやサービスを購入する対価の形で資金提供を行う「購入型」に分けられます。

 

一方、「投資型」は運用方法が2種類あり、融資の形で運用する「レンディング型」と株式投資のように出資の形で運用する「エクイティ型」に分類されます。「レンディング型」は「ソーシャルレンディング」とも呼称されています。

 

この両者を、資金を提供する側、資金の提供を受ける側から比べてみると、以下のような特徴や相違点があります。

 

[図表1]資金を提供する側

[図表2]資金の提供を受ける側

 

現在のところ、クラウドファンディングの仕組みを使って不動産ファンドへ投資する場合には、この二者のうち「レンディング型」を利用するのが一般的です。

 

LCレンディングがこの仕組みを利用して提供している商品では、不動産ファンドのメザニンローン部分に出資することができます。

 

クラウドファンディングにおける広義での不動産投資は、マンションリニューアルや戸建ての開発プロジェクトなど、様々なものが挙げられますが、狭義の意味の不動産投資は不動産関連事業を対象とせず、収益安定型不動産のみを対象にしたものに限られます。

 

[図表3]クラウドファンディングの種類

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    本連載は、2016年3月28日刊行の書籍『ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本書の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本書の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者並びに本書制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

    ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資

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    小山 努

    幻冬舎メディアコンサルティング

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