いまだ収束の気配が見えてこない、新型コロナウイルス感染。経済も落ち込み、家計不安が広がるなか、「マンションを買いました!」という人たちがいます。コロナ禍でもマイホームを実現した人たちの実情を、国土交通省の調査から紐解いていきます。

コロナ禍に買ったマンション…平均購入価格は?

さらにお金回りについて見ていきます。「購入資金総額」は4393万1500円。前年より212万9000円、高くなりました。「首都圏平均」は4458万円、「近畿圏平均」は3987万円、「中京圏平均」は3476万円。やはり東京を中心とした首都圏のマンション価格は、ほかの大都市圏よりもワンランク高いようです。

 

また「購入金総額」のうち、「自己資金」は平均1124万円で前年よりも193万円減。一方、「借入金」は平均3269万円で、前年より213万円増。「自己資本比率」は平均25.6%で前年より5.9ポイント減。購入価格が増えた分、借入金を増やして購入に踏み切ったようです。

 

そんな借入金の「平均返済期間」は31.1年。そのボリュームゾーンは「35年以上」で7割弱にも上ります。また住宅ローンの年間返済額は139万1000円で前年より8万円ほどアップ。年収に占める年間返済額の割合である「返済負担率」は17.4%と、購入者の平均世帯年収が上がっている分、前年よりも若干減少しています。

 

【新築マンション購入者の平均像:借入金返済期間】

平均返済期間:31.1年

 

「5~10年未満」0.8%(ー)

「10~20年未満」6.2%(6.7%)

「20~35年未満」23.8%(20.0%)

「35年以上」69.2%(73.3%)

 

出所:国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』

※()内は前年数値

 

このように見ていくと、「世帯年収900万円弱の40代前半の会社員が、1100万円ほどの頭金を用意し、3200万円ほど借金をして、4400万円ほどのマンションを35年ローンで買った」というのが、コロナ禍に新築マンションを買った人の平均像といえそうです。

 

夢のマイホームを実現した人たちですが、「住宅ローンの負担感」については、「非常に負担感がある」が7.2%、「少し負担感がある」が48.8%と、半数以上が多かれ少なかれ負担を感じているという結果に。

 

一般の会社員などからすれば、数千万円の買い物に対しては、少なからず、多少無理をしてでも……という部分はあるでしょう。そのような決意が、負担の感じ方からも読み取ることができます。

 

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