適正価格が存在しない「M&A価格」はどのように決まるのか?

2025年には、日本企業全体の1/3にあたる127万社が「後継者不在」になると予想されています。会社を引き継ぐ人が見つからない場合、選択肢の一つとして考えられるのが「M&A(合併と買収)」です。今回は、「M&Aの価格」の決まり方について、株式会社WealthLead(ウェルスリード)代表取締役シニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が解説します。

M&Aの売り手は高く売りたい、買い手は安く買いたい

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

M&Aの価格は、売り手企業オーナーは少しでも高く売りたいですし、買い手企業は少しでも安く買いたいと思うのが当然です。そういう意味では、売り手と買い手の間には「利益相反」が存在します。

 

それでは、M&Aの「適正価格」あるいは「理論価格」というのがあるのでしょうか?

 

結論から言うと、「適正価格」も「理論価格」も存在しません。あるのは、売り手企業オーナーの「売却希望価格」と買い手企業の「買収希望価格」、そしてM&Aが「成立した価格」です。

 

適正価格や理論価格はないとしても、おおまかな目安がないと話は進みませんね。まずは、中小企業のM&Aでよく使われる「目安価格」の算出方法をお伝えします。

企業価値の評価の対象には「3つの価値」がある

「バリュエーション」という言葉を聞いたことはありますか? バリュエーションとは、企業の価値評価を総称するもので、評価の対象は「企業価値」「株式価値」「事業価値」の3つの考え方があります。【図1】をご覧ください。

 

【図1】「企業価値」と「株式価値」と「事業価値」

 

一番左は「企業価値」です。企業価値とは、その名前の通り、企業全体の価値を表しています。

 

次に真ん中です。企業価値は「株式価値」と「有利子負債」に分けることができ、株式譲渡の場合は株式価値を評価することになります。

 

さらに、企業価値は「事業価値」と「非事業性資産」に分けることもできます。企業には、事業とは関係のない投資用資産や、すでに事業資産としての役目を終えて事業とは無関係になっている資産もありますので、そのような資産を切り離して評価するのが事業価値ということになります。

 

価格の話をするときには、どの価値について話をしているのかを確認するようにしましょう。

 

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株式会社WealthLead
代表取締役
シニア・プライベートバンカー

1965年神戸市生まれ、千葉県松戸市出身。小学2年生から國學院高校時代までは剣道、信州大学経済学部入学後は夏のバイク、冬のスキーに没頭。

1988年4月、新日本証券(現みずほ証券)入社。生まれ故郷の神戸支店を皮切りに営業店、本社営業企画部門と人事部門、グループ会社での金融プロフェッショナル教育に従事。横浜西口支店等、4店舗の支店長も務める。

2度の合併(2000年新光証券、2009年みずほ証券)はあれど、30年に渡る証券マン人生の大半を富裕層個人と中小企業の資産運用、M&A、IPOに携わる。

駆け出しの頃に飛び込みで開拓したお客さまが後年上場を果たし、そのカッコいい姿を見て「いずれ俺もああなりたい!」と起業を夢見るようになる。

2011年の東日本大震災を目の当たりにして、「やりたいことに挑戦しないまま死んだら絶対に後悔する!」と若いころからの夢である起業を決意。2017年12月末みずほ証券を退職、2018年3月、53歳の時に創業。

全国205名(2021年3月現在)しかいない、日本証券アナリスト協会認定シニア・プライベートバンカー。YouTube『富に導くFAチャンネル』も運営している。

著者紹介

連載中小企業経営者のための「M&A」基礎知識

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