前回は、動物病院を法人化する際の選択肢について説明しました。今回は、株式会社の主な機関と役割について見ていきます。

株式会社の機関について理解し、しっかりと機能させる

法人化した場合、すなわち会社を設立した場合には、それぞれの会社に応じた機関を整えることが必要となります。

 

しかし、ほとんどの法人化した動物病院では、機関が設けられていても形だけに過ぎず、本来期待されているはずの役割を果たしていないように感じられます。

 

会社の機関が正常に機能しなければ、先に触れたコンプライアンス体制を確立することはできません。

 

したがって、各機関の具体的な役割をしっかりと理解したうえで、それらが十全に活動できるような環境を整備する必要があるでしょう。

株式会社の主な機関と役割とは?

ここでは、株式会社における機関がそれぞれどのような役割を果たしているのかを確認しておきましょう。

 

まず、株式会社の主要な機関としては、①株主総会、②取締役、③取締役会、④代表取締役、⑤監査役が挙げられます(このほかに監査役会、会計監査人、会計参与、委員会、執行役もありますが、一般の動物病院の場合には不要でしょう)。

 

それぞれの役割は以下の通りです。

 

株主総会

株主によって構成され、その総意によって会社の意思を決定します。会社法により、毎年1回の開催が義務づけられています。株主は会社の実質的な所有者であることから、株主総会では、原則的に会社に関するあらゆる事項を決定することができます。

 

取締役

取締役会が設置されていない会社では会社の業務を執行します。一方、取締役会が設置されている会社ではそのメンバーの一員にすぎません。

 

取締役会

取締役全員で構成され、その会議により業務執行に関する会社の意思を決定するとともに取締役の職務執行を監督します。

 

代表取締役

会社の業務を執行し、かつ会社を代表します。取締役の中から選ばれます。

 

監査役

取締役の職務執行の監査を行います。

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    百瀬 弘之

    幻冬舎メディアコンサルティング

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