前回は、経営者として自覚すべき動物病院の「院長の職責」について取り上げました。今回は、開業した動物病院を繁盛させるために必要な準備について見ていきます。

必要な総予算を検討してから開業準備を

繁盛する動物病院をつくるために押さえておきたい開業準備段階のポイントと、開業後の診療・経営ノウハウについて紹介します。

 

まず、開業の準備段階で行う作業の具体的な中身について確認しておきましょう。資金の調達や不動産の選定、医療機器の調達など開業のために必要となる準備を整理すると、以下のようになります。

 

1.資金の調達

●開業に必要な総予算を検討する。

●自己資金を確認する。

●融資の選択肢を検討する。

●事業計画書を作成する。

●融資を得るための交渉を行う。

●融資にかかわる契約を結ぶ。

 

2.不動産の選定

●候補地を探す。

●収益の見込みを分析する。

●テナントの場合、賃料の妥当性を検討する。

●テナントの場合、オーナーと保証金や賃料について交渉後、契約を結ぶ。

●建物を建てる場合には土地を購入する。

 

3.医療機器の調達

●開業後に予定している診療に必要な医療機器をイメージする。

●イメージしたものをリスト化する。

●リストアップした医療機器を購入するために必要となる予算を作成する。

●新品あるいは中古で購入するか、リースするかを決める。

●購入する場合には医療機器メーカーなどと値段交渉を行う。

●機器を購入する。

看板や印刷物などのデザイン、ホームページ作成も重要

4.店舗設計

●設計士を決める。

●設計について打ち合わせをする。

●設計が完成する。

 

5.店舗施工

●施工業者を選定する。

●施工管理・工事工程表を作成する。

●工事に関して近隣対策を行う。

●安全管理対策を行う。

 

6.看板や印刷物などのデザイン

●デザイナーを選ぶ。

●基本となるロゴなどを決める。

 

7.ホームページ作成

●ホームページ制作業者の選定を行う。

●デザイン、コンテンツなどについて打ち合わせをする。

●メールアドレス・ドメインを取得する。

●SEO対策を行う。

●ソーシャルメディアなどによる広告活動を行う場合には、ツイッターやフェイスブックなどのアカウントを取得する。

 

これらの準備作業を「独力で行うのは困難」と感じる人もいるかもしれません。その場合には、十分な実績があり、信頼できる動物病院の開業コンサルタントにサポートを依頼してみてもよいでしょう。また、資金の調達に関しては、動物病院の税務を専門にしている税理士に相談してみることもおすすめします。融資先との交渉方法などに関して有益なアドバイスを得られるでしょう。

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    本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

    どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

    百瀬 弘之

    幻冬舎メディアコンサルティング

    勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。 ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さら…

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