前回は、動物病院の開業準備作業のスケジュールについて取り上げました。今回は、動物病院の開業資金を準備するタイミングや方法について見ていきます。

開業資金の準備には「定期積み立て」がベスト!?

開業資金のすべてを自己資金で賄うことは困難であるために、基本的には公庫からの融資や親からの援助などに頼ることになります。もっとも、自己資金も可能な限り、用意するべきであることはいうまでもありません(開業資金の2割程度は自己資金であることが望ましいでしょう)。

 

そのためには、勤務医時代の早い段階から資金準備に着手する必要があります。具体的な手段としては、オーソドックスですが、定期積み立てを行うのがベストです。給料日に自動的に一定額が定期預金に積み立てられる仕組みをつくっておけば、確実に目的とする金額がたまっていくはずです。

 

また、投資に関心のある人は、「もっと効率的にお金を増やしたい」と考えて、利回りのよさそうな金融商品に手を出したくなるかもしれませんが、株にしても投資信託にしても元本割れのリスクがあります。

 

しかも、いつリーマン・ショックのような「大暴落」があるかわかりません。少々の額を運試し程度のつもりで投資するのならともかく、自己資金の全額を株式や投資信託などに回すことは避けたほうがよいでしょう。

 

資金準備の問題と関連しますが、「勤務医をいつまで続ければよいのか」も悩みどころの一つです。勤め先の病院をやめてしまうと収入が途絶えてしまうことになるので、できるだけ勤め続け、開業の準備は、休診日や有給休暇などを利用して進めていくことが望ましいでしょう。

 

もっとも、勤務先の院長が「独立を考えているような者はスタッフにいらない」というタイプの人であれば、勤めながら準備作業を行うのは難しいかもしれません。ですので、そのような場合には、独立開業に理解のある病院への転職を検討する必要も出てきます。

融資を受けるには「具体的な事業計画書」が必要に

開業を準備する過程では、事業計画書の作成が必須となります。事業計画書は前述のように融資元に提出することになるので、独りよがりではない、第三者の目からみても納得できる内容のものに仕上げる必要があります。

 

手間と時間をかけるのを惜しみ、「この程度でよいだろう」というぞんざいな気持ちで適当に書いてしまうと、融資元に不備な点を指摘され、何度も書き直す羽目になります。最悪の場合には、希望していた融資額を得られなくなったり、融資そのものを拒否されるおそれがあります。

 

そもそも事業計画書を作成するためには、「どのような動物病院をつくりたいのか」というコンセプトが明確となっている必要があります。外装のイメージ、最低限確保したい設備、雇用したいスタッフの人数など、それらを具体的に把握してはじめて開業時に必要となる事業費を計算することが可能となるのです。

 

逆にいえば、「事業計画書を上手にまとめられない」という場合には、事業コンセプトがあいまいである可能性があるので、もう一度、コンセプトを根本から検討し直すことが必要となります。

 

また、収入予測などについて記載する収入計画の欄にはあくまでも実現が可能な数字を、具体的な根拠とあわせて提示するよう心がけましょう。何の根拠もなく楽観的な数字がただ並んでいるだけでは「絵空事」と思われ、事業計画書の信頼性を失わせることになりかねません。

本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

百瀬 弘之

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。 ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さら…

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