新興企業にとってSPAC(Special Purpose Acquisition Company:特別買収目的会社)は、時間短縮や価格リスクの低減といったメリットから、強力なイグジットの選択肢となっています。そして去年今年と、アジア太平洋地域ではその市場を大きく伸ばしています。日本におけるSPACの位置づけや認識とあわせて解説します。※本記事は、Datasite日本責任者・清水洋一郎氏の書き下ろしです。

SPACプロセスを成功に導く「テクノロジーの活用」

APACからの関心は驚くべきものではありません。DatasiteとPitchbookが主催した最近のウェビナーでは※10、投票した参加者の73%が「将来的に実行可能なイグジット選択肢としてSPACを検討する」と答えました。同じ参加者は、SPACが今年のPE所有企業の最も一般的なイグジット手段の1つになると予測しています。

 

※10 Datasite "Exit Trends & Opportunities in Private Equity" FEBRUARY 23, 2021.

 

より多くのスポンサー、アドバイザー、ターゲット企業が集まってくる中で、スポンサーとターゲットの間の適切な適合性を確保することが重要です。特にスポンサーは、自分に合った企業を見つけ出すまでに、複数のターゲット企業に売り込む必要があります。そのため、適切なM&Aデューデリジェンスソフトウェアの使用を含め、この取り組みを合理化するためには高度なテクノロジーを駆使することが重要なポイントとなるでしょう。

 

アドバイザー向けには、買い手を確保するために、より効率的でミスのないエンゲージメントを可能にするツールも開発されています。一方、ターゲット企業は、文書やアーティファクトを整理してアクセスできるようにし、常にディールに備えておく必要があります。

 

世界がパンデミックから立ち直り始めた際には、技術革新を利用してM&Aの方向転換ができるようになっておくことが重要になります。M&Aプロセス全体を効率的かつ効果的に管理するために適切なテクノロジーを採用することは、パンデミック後の世界で企業が生き残るだけでなく、更なる進化を遂げるためにも必要なのです。

 

 

清水 洋一郎
Datasite 日本責任者

 

 

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