雇用者数は56万人増
失業率は5.8%に低下
■米労働省が6月4日に発表した21年5月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から56万人増加しました。68万人程度の増加を見込んでいた市場予想を小幅に下回ったものの、おおむね想定の範囲内の結果でした。
■失業率は5.8%と前月(6.1%)から低下しました。米国の労働市場は堅調な回復を続けています。
今後も雇用回復継続へ
回復阻害要因も解消に向かう
■米国ではワクチン接種が進み、経済再開も順調です。バイデン政権による大型景気対策の効果もあらわれてきています。こうしたことから今後も雇用の回復は続くと見ています。
■対面サービス業や学校の再開が完全ではないことや、手厚い失業給付などが雇用増加を妨げる要因として指摘されていますが、こちらも今後は徐々に解消に向かうと見られます。
経済再開に伴い株高継続へ
■4日の米国株式市場で、NYダウは0.5%上昇し過去最高値に近づきました。堅調な景気、企業業績や、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和の早期縮小観測が落ち着いていることが株高要因となっています。
■今後もワクチン接種による感染の落ち着きや、経済再開の動きが続くことによって景気や企業業績が回復するに従い、株式市場も上昇基調を維持すると見ています。リスクとしては、経済再開の本格化によって早期の金融緩和縮小が改めて意識されることなどが挙げられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用統計で雇用者数は56万人増』を参照)。
(2021年6月7日)
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