6月4日、医療制度改革関連法が成立し、一定の所得がある75歳以上の医療費窓口負担が1割から2割に引き上げられました。多くがリタイアし、収入の大部分が年金となる世代の負担増は、どのような影響を与えるものでしょうか。

75歳以上・年収200万円以上、医療費2割負担へ

6月4日、参院本会議で「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が可決、成立しました。

 

そこで大きく報道されたのが、原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担が、年収200万円以上の人を対象に2割に引き上げられるというもの。引き上げ時期は、来年10月から半年以内とし、具体的日程はこれから決められます。また急激な負担増を抑えるため、引き上げ後3年間は1ヵ月の自己負担増加額を最大3000円までとする措置が設けられます。

 

現在、75歳以上の高齢者は約1815万人。医療費窓口負担が1割となっているのは、対象者の9割強となっています。医療費窓口負担が3割となる、単身で年収383万円、複数世帯520万円以上の人は、対象者の約7%に過ぎません。

 

今回の改正により1割負担(年収200万円未満)となるのは約1315万人で、約72%。そして2割負担となるのが約370万人で約20%と言われています。

 

お金が…(※画像はイメージです/PIXTA)
お金が…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

また関連法案では、育児休業中の社会保険料免除対象の拡充や、国民健康保険に加入する未就学児の保険料軽減措置なども盛り込まれました。

 

【全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要 】

 

1.全ての世代の安心を構築するための給付と負担の見直し

(1)後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し 【高齢者の医療の確保に関する法律】

後期高齢者医療の被保険者のうち、現役並み所得者以外の被保険者であって、一定所得以上(※)であるものについて、窓口負担割合を2割とする。

※課税所得が28万円以上かつ年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は後期高齢者の年収合計が320万円以上)。政令で規定。

※長期頻回受診患者等への配慮措置として、外来受診において、施行後3年間、1ヵ月の負担増を最大でも3,000円とする措置については、政令で規定。

(2)傷病手当金の支給期間の通算化 【健康保険法、船員保険法】

(3)任意継続被保険者制度の見直し 【健康保険法、船員保険法】

 

2.子ども・子育て支援の拡充

(1)育児休業中の保険料の免除要件の見直し 【健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法 等】

(2)子どもに係る国民健康保険料等の均等割額の減額措置の導入 【国民健康保険法、地方税法】

 

3.生涯現役で活躍できる社会づくりの推進(予防・健康づくりの強化)

保健事業における健診情報等の活用促進 【健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律 等】

 

出所:厚生労働省資料より

 

今回の医療費負担増は、現役世代の負担の上昇を抑えるためのもの。厚生労働省では、今回の改正による現役世代の負担減は、2025年度に830億円ほどと見込んでいます。

 

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