エンジェル投資家(これから事業を始めようとする起業家に対して出資を行う個人投資家)の坂元康宏氏は、「日本の会社員はあと10年で滅びる」と主張しており、起業の重要性について説いています。今回は著者の実体験をもとに、会社員と副業の関係について見ていきましょう。

 

サラリーマンとしての仕事には支障を来さないようにしていましたが、私が頻繁に韓国へ行っていることは隠し通せるものではありません。私は日韓ワールドカップが開催された2002年から度々旅行をしていたので”韓国好き”であることは知られていましたが、あまりに回数が増えたので「アイツはまた韓国か? 何をやっているんだ!?」と社内で噂になるに至って、社長に白状したのでした。

 

「すみません!実は副業を始めまして独立したいと思っています。会社に迷惑をかけないよう、引継ぎができるまでは責任をもって働きますのでご了承いただけないでしょうか」

 

社長の反応は「やはりな」という感じでしたが、私のビジネスが会社の事業とは重複しない内容だったので、何とか認めてもらえました。その時点で「いつ独立してもやっていけそうだ」という手ごたえを持っていたので、後任が見つかればすぐにも退職するつもりだったのですがすぐには辞めることができず、なんだかんだで告白から3年間は会社に籍を置いていました。

 

会社を退職していればもっと早く成長できたかもしれませんが、その間に景気の浮き沈みも経験しましたし、人脈も広げることができました。振り返ってみれば完全独立までに5年をかけたのは悪くない助走期間だったと思います。助走期間というのはベンチャーとしてという意味で、私自身は全力疾走でした。

「サラリーマン5ヵ年独立計画」のススメ

現在、サラリーマンとして仕事がある人は「5ヵ年独立計画」を立て、それまでは会社経営とサラリーマンの二刀流でやってみるのをお勧めします。今すぐにでも独立したい人にとって5年は長いと感じられるかも知れませんが、急ぎすぎるとどこかに無理が生じます。

 

もちろん、走り出してみて予想以上に事が上手く進み、2〜3年で独立できるというのであれば、それはそれでOKです。私のように経営の方が忙しくなって隠し通せなくなるか、本業の何倍も稼げるようになって定時の勤務時間が明らかに損失になる頃が、一本立ちのタイミングかもしれません。

 

まずは、自分のやりたいビジネスを見つけること。日中はサラリーマンとして働き、疲れて帰宅してからビジネスのあれこれをやるわけですから、本当にやりたいことでなければ続きません。また、専門分野をマネタイズする場合には、本業との関連に注意すること

 

自分がマネタイズできるスキルや知識が会社での業務と重複するという人は多いと思うのですが、サラリーマンは業務上で知り得た情報をみだりに人に漏らしてはいけない守秘義務を負っています。また、会社の顧客に売り込みを行ったりすれば背任行為です。また、積極的に人脈を広げていきましょう。

 

シリコンバレーの例を出すまでもなく、先行者からのアドバイス、起業家同士の情報交換、エンジェル投資家やベンチャーキャピタリストとの出会い……etc.アイデアを具体化し夢を現実に変えていくのは結局のところ、人と人とのつながりです。

 

 

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※本連載では坂元氏が成功する起業家の特徴や、「エンジェル投資家」について解説していきます。

起業するなら「エンジェル投資家」を口説きなさい

起業するなら「エンジェル投資家」を口説きなさい

坂元 康宏

幻冬舎メディアコンサルティング

海外の若手起業家にとって当然の存在でありながら、日本ではほとんど認知されていないエンジェル投資家。若手起業家の元へ足繁く通い、ハンズオンしてきた著者だから見えた成功者の共通点とは。投資家として、起業家として、エ…

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