「会社を倒産させる=失敗者」は日本だけの考え方
日本の金融機関はバブル崩壊のダメージを長く引きずっていて、海外の投資家は日本独自の規制や商習慣(言語も含め)が障壁になってなかなか入って来れませんでした。
大規模な外資は壁を乗り越えて来ましたが、大手が資金投入するには新興企業と言えどもそれなりの規模が必要です。まだ海のものとも山のものともわからないステージにある、見ず知らずの会社を支援する存在は、国内にはほとんどありませんでした。
また、日本では会社を倒産させると“失敗者”として見られ、経営者としての再起が難しくなってしまう傾向があります。これでは、若者が起業に二の足を踏むのも当然です。
国民性もあるのでしょうが、米国の起業家は失敗しても諦めずに何度もチャレンジしますし、それを認めて応援する投資家もいます。起業家は失敗を糧に成長しますし、それで失敗したらそれは投資家の”見る目のなさ”です。出資した時点で投資家も企業の一員であり、経営者だけに失敗の責任を押し付けることはしません。
これからは挑戦者が生き残る時代
しかし、これからは日本も変わります。それは、企業の雇用のあり方が変わりつつあるからです。
これまで日本企業は毎年大量の新卒者を正社員として採用し、一人前の職業人として育て上げ、安定した雇用と活躍の場を与えてきました。ですがそれは世界の中ではガラパゴス的な雇用システムであって、今後は日本も世界標準化していくはずです。
より専門的な職種はスペシャリストとして採用され、成果に応じた高額な報酬が支払われるようになるでしょう。もちろん、成果が上がらなければ契約は打ち切りです。それでも特殊技能がある人には、エージェントがすぐに次の職場を見つけてきます。
中にはプロジェクト単位で仕事を請け負うフリーランスとして活躍したり、自分の企業を立ち上げて企業と契約を結ぶ人も出てくるでしょう。
一方、特殊技能がない人はゼネラリストとして期間を定めない雇用契約になりますが、報酬は低く抑えられます。そうした人たちがより豊かな暮らしをしたければ、副業をするようになります。
副業の選択肢は、深夜バイトや不動産経営だけではない
これまでのサラリーマンは副業禁止でしたが、多くの企業で解禁の道筋ができつつあります。
サラリーマンの副業というと、これまでは会社に内緒でやる深夜バイトとか、奥さんを代表取締役に据えて会社を設立して不動産経営をするくらいが関の山でした。原則として副業が禁止されている上に、会社での拘束時間も長いのでそれくらいしかできなかったのです。
ですが、最近はちょっとしたスキマ時間に小さな仕事を請け負える「クラウドソーシング」や、趣味や得意分野をネットで販売できる「スキルマーケット」が流行っています。
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