離婚はスムーズに進むものばかりではなく、トラブルに発展してしまうことが多いもの。万が一に備えて、日頃から知識を仕入れておくことが重要です。今回は、世田谷用賀法律事務所の代表者、弁護士の水谷江利氏が、「離婚」を迫られたとき考えるべきことを解説します。

離婚届を突き付けられても「即離婚成立」はない

「離婚を突き付けられました。応じなければならないんでしょうか」

「こんな請求は通るのでしょうか」

 

というご相談は多いです。しかし、双方が「同意」をしない限りは、すぐに離婚が成立することはありません。

 

1.仮に法律上の離婚事由があったとしても、離婚に「同意」をしなければ、それが裁判で認められるまでには1~2年程度要する。

2.仮に法律上の離婚事由がなくても、離婚に「同意」してしまえば、すぐに離婚が成立してしまう。

 

この単純な枠組みを、よく理解しておく必要があります。

 

同意が無ければ「即離婚」にはならない(画像はイメージです/PIXTA)
同意が無ければ「即離婚」にはならない(画像はイメージです/PIXTA)

離婚までの間お金がない…「婚姻費用」の実際

「離婚までの間に、別居などの理由に伴い、配偶者からの生活費を著しく減らされてしまったら……」と心配される方も多いことでしょう。別居から離婚までの間は、「婚姻費用」といって、お子さんだけではなく、配偶者の生活費も併せて受け取ることができます。
 

依頼して払ってもらえない場合には、家庭裁判所に調停を申し立て、婚姻費用の分担を請求します。請求した時期からしか認められないことがあるので、早めに見極めましょう。分担すべき金額が定まらないときは、算定表に従って、婚姻費用の金額を決めます。
 

 

婚姻費用は、別居が解消されるまで、または離婚が成立するまで支払いが続きます。離婚の請求を受ける=今すぐ路頭に迷う、というわけではありませんので、とにかく冷静になりましょう。

「不受理申出書」を提出するメリット

もし勝手に離婚届けを出されてしまいそうな場合、市区町村の役場に「離婚届の不受理申出書」を提出しておくと良いでしょう。

 

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本連載は、「世田谷用賀法律事務所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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