離婚はスムーズに進むものばかりではなく、トラブルに発展してしまうことが多いもの。万が一に備えて、日頃から知識を仕入れておくことが重要です。今回は、世田谷用賀法律事務所の代表者、弁護士の水谷江利氏が、「離婚」を迫られたとき考えるべきことを解説します。

 

市区町村では、離婚届が両者の同意を得ているものかどうか、確認を取ることができないので、相手方が勝手に記入して出すことは防げません。これを提出しておけば、万が一、相手方が勝手に離婚届を提出しても受理されないようにすることができます(なお、離婚を成立させるときには、取り下げる必要があります)。

 

届け出先は本籍がある市区町村の戸籍課です。そこ以外の役場に出した場合、受け付けた役場が本籍のある役場に申出書を送付します。

 

ただし、一方から離婚届けが提出されたときには、片方に離婚届けが提出された旨の通知がありますから、仮に勝手に提出されてしまったときには、その効力を争うことは可能です。

それぞれの相談窓口・専門家があることを知っておく

今後の方向性について弁護士に相談するほかにも、さまざまな相談先があります。

 

弁護士への相談は、私どものような特定の法律事務所に問い合わせるだけでなく、自治体の法律相談窓口(通常は無料で、担当者は地域の弁護士会の弁護士が務める)や、法テラス、弁護士会の相談窓口などがあります。

 

心理的なことのご相談には、カウンセラーの相談を受ける方もいます。また、浮気調査・素行調査には、興信所や調査会社などもあります。

 

公的な相談機関には、次のようなところがあります。

 

●女性センター等
市区町村には女性が抱える問題全般を扱う機関があることが多く、DVやモラハラでお悩みの場合、民間のシェルターなどを紹介してくれます。

 

●ハローワーク
就労支援を行う機関です。

 

●地方自治体の各窓口
児童扶養手当や医療費助成など、離婚後の生活について役立つ情報を受け取るためには、自治体の役所へ赴きましょう。

 

●福祉事務所
生活保護や母子家庭援助などについてもアドバイスを受けることができます。

 

まずは慌てず、自分のおかれている問題点を整理して、それぞれの専門家に相談するのが解決の早道になるでしょう。インターネットなどの情報に流されず、ぜひ一度ご自身の個別の事情をご相談ください。

 

 

水谷江利

世田谷用賀法律事務所弁護士

 

 

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本連載は、「世田谷用賀法律事務所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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