建築物の品質を保つには、計画的な外壁塗装が不可欠です。しかし、外壁工事の知識がない不動産オーナーの場合、悪質な塗装業者がぶら下げる「安さ」の罠にかかってしまい、手痛い損失を被ることがあるので要注意です。注意すべき「営業トーク」にはどのようなものがあるのでしょうか。外壁塗装の専門業者が解説します。

 

●「無料」という言葉で関心を引く

 

「無料で診断します」「外壁が危ないようなので点検させてほしい」と訪問し、「無料ならいいか」と思わせます。当然、無料の診断や点検の結果として「外壁がだいぶ傷んでいる」「すぐに塗装したほうがよい」といった提案をします。

 

このような話を聞いたとしても「安いな」「無料か」などと乗ってはいけません。

 

「ここで契約すると高確率で失敗する」と考えて、冷静に聞き流すのがよいでしょう。

 

少なくとも、その場で契約はせず、いったん帰ってもらいましょう。その間に、家族でも友人でも、誰かに相談してください。適正価格の提案である可能性がないわけではありませんが、ほかの業者と比較してみることも大事です。

 

●前払いを求める

 

「契約時に全額支払うと安くなります」などと提案し、前払いを求めます。

 

これは論外です。もしかしたら本当に安くなるのかもしれませんが、多少の値引きのために、全額持ち逃げされるリスクを取ってはいけません。

 

持ち逃げされなかったとしても、業者はすでにお金をもらっているため、「適当に終わらせて次に取り掛かろう」と考え、手抜き工事をする可能性があります。あるいは、「手が空いたときにやればいい」と考えて、工期を伸ばしたり、なかなか着工しないこともあります。

 

「着手金を払うと安くなります」「実際の工事がスタートするときに料金の一部、残りは工事完了時にお支払いください」なども、前払いを促す営業トークの一種です。

 

金額がいくらであれ、全額ではなく一部だけだったとしても、前払いはお客さん側にとってリスクですし、このような提案をする業者も避けたほうがよいでしょう。

 

●嘘をつく

 

「この塗料は40年もちます」「絶対に剥げません」など嘘の営業トークでお客さんの関心を引きます。

 

このタイプも論外です。なぜなら、現実には、40年もつ塗料も絶対に剥げない塗料も存在しないからです。塗料について補足しておくと、最新の高品質な塗料でも、耐用年数は長くて20数年です。

 

長くても約20年後、現実的には15年くらいで次の塗り替え時期がきますので、「うちの塗料は40年もちます」と言う業者や、「30年間、メンテナンスなしで大丈夫です」などと言う業者は避けるのが正解ということです。

 

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家の寿命を20年延ばす はじめての外壁塗装

家の寿命を20年延ばす はじめての外壁塗装

久保 信也

幻冬舎MC

なんとなく後回しにしがちな外壁塗装。実際に、料金や工法もよく分からない戸建て住宅オーナーは多い。 しかし、外壁塗装の知識がないまま業者に依頼してしまうと、雨漏りや料金トラブルが発生してしまうこともしばしば………

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