米国株取引では、株の売買単位や取引時間のほか、米国以外の企業への投資を可能にするADRという金融商品など、知っておくべきポイントが複数あります。マネー誌への執筆を中心に活躍するライター・安恒理氏が平易に解説します。※本記事は、『はじめての米国株1年生』(明日香出版社)から一部を抜粋・再編集したものです。

米国株が「取引できる時間帯」とは?

米国の証券取引所がオープンする時間帯は日本の夜にあたります。標準時間における立会時間は23時30分から翌朝の6時まで(日本時間)の6時間半になります。

 

ただ米国には「サマータイム」があり、3月第二日曜日から11月第一日曜日のあいだは、22時30分から翌朝5時までとなります※2

 

※2 米国にはタイムゾーンが6つあり、日本との時差は14時間から17時間です。証券取引所の取引時間はアメリカ東部の標準時刻で、日本との時差は14時間ですが、サマータイム期間だと13時間になります。

 

サマータイムは8カ月もあり、日本から見ると、季節によって取引時間が変わることになるのです。

 

日本の証券取引所のように前場・後場はなく、昼休みなしの通しで取り引きがおこなわれます。

 

 

立会時間のほかに、時間外取引も開催されています。現地時間の8時から9時30分までがプレ・マーケット、16時から20時までがアフター・マーケットとよばれ、立会時間も加えると取引時間は最大12時間にもなります。

 

 

決算発表でサプライズがあると時間外で株価が大きく動くこともあり、立会時間と同様に注目されています。

 

とはいえ米国株の時間外取引は、証券取引所でおこなわれるわけではなく、ブローカー同士の私設市場(電子商取引ネットワーク)を通して、オークション方式でおこなわれるものです。

 

「受渡日」と「祝日」に注意を!

取引の際の用語について説明します。

 

まず売買が成立することを約定(やくじょう)といいます。米国株の場合は、取引が成立した日を現地約定日といいます。

 

現地約定日の翌営業日が国内約定日です。この日に売買注文の成立を取引証券会社が最終確認します。

 

約定した注文の代金をやりとりすることを「受渡(うけわたし)」といいます。

 

受渡は国内約定日から起算して、3営業日目(国内約定日の2営業日後)におこないます。この日を国内受渡日といいます。

 

 

取引日にも違いがあります。とくに注意しなければならないのは、年末年始です。

 

日本の企業はほとんどが正月休みになるのに対し、米国では正月は1月1日のみが休日になります。

 

日本の株式市場も12月30日の大納会から年明け1月6日の大発会の間は株式市場は休場となりますが、米国では元日(プラス土日)以外は取引が行なわれているのです。「正月安みだと油断しているうちに、株価が急変していた」といった事態も想定しなければなりません。

 

主な祝日は下記の通りです。

 

 

 

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