失業率…世界の主要国と比べてみると
全世界を巻き込んだコロナ禍。そのなかで日本だけでなく、多くの国で労働環境が悪化しています。そもそも、日本の労働環境は、世界と比べてどうだったのでしょうか。国際労働機関(ILO)のデータを見てみましょう。
OECD加盟国中、最も失業率(=完全失業者数÷労働力人口。2019年度データ)が高いのは、「ギリシャ」で17.24%。第2位が「スペイン」で13.96%、第3位が「トルコ」で13.49%。上位3国は、10%を上回っています。日本は2.29%で36位。つまりOECD加盟国の中でベスト2位です。
ちなみに先進7ヵ国に限ると、「イタリア」4位、フランス」6位、「カナダ」14位、「イギリス」27位、「米国」28位、「ドイツ」34位、そして「日本」が36位。
【世界主要国の失業率ワースト10】
1位「ギリシャ」17.24%
2位「スペイン」13.96%
3位「トルコ」13.49%
4位「イタリア」9.89%
5位「コロンビア」9.71%
6位「フランス」8.43%
7位「チリ」7.09%
8位「フィンランド」6.6%
9位「ラトビア」6.52%
10位「スウェーデン」6.48%
出所:国際労働機関(ILO)
このように、日本の失業率の低さは、主要国でもずば抜けています。その要因とされているのが、日本型の雇用形態。終身雇用は崩壊したといわれていますが、まだその余韻が強く遺されています。
一方で雇用を守る代わりに賃金が低く抑えられてきた、という背景があります。その分、企業の内部留保は膨らむばかり。
OECDによる製造業の給与伸び率(前年比)をみていくと、2000年、データのある27ヵ国中、日本は27位。その後、リーマンショックの影響が大きかった2010年だけは、データのある32ヵ国中9位でしたが、それ以外は常に下位、それも主要国で最下位というのも珍しくないのです。
日本には、不況時、それでも職を失わないという安心感があります。その分、景気が良くても、労働者には還元されにくい構造になっています。またそれが日本の国際競争力を妨げている、という指摘もあります。
少子高齢化、人口減少などで、もう成長は見込めないといわれる日本。リスクを取りいけば、再び成長曲線を描けるようになるかもしれません。
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