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相続税の申告手続きは、複雑そうなイメージからか、不安を覚える人が多いようですが、基本的な流れに沿って準備・作業を進めれば大きな混乱はきたしません。ただし、相続財産の定義については、相続人の認識が甘いと課税当局からの指摘を受けるため、十分な注意が必要です。※本記事は、『中小企業&資産家のための税目別誤りやすい税務への対応Q&A』(株式会社ぎょうせい)より抜粋・再編集したものです。

相続税の申告に必要な準備は?手順を6つに分けて解説

Q1

 

相続税の申告に当たって準備が必要な点について教えてください。

 

A1

 

相続税の申告のためには、相続人の確認、遺言の有無、遺産と債務の確認、遺産の評価、遺産の分割などの手続が必要です。以下そのあらましを説明します。

 

 相続人の確認 

 

被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認します。

 

 遺言書の有無の確認 

 

遺言書があれば遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受けます。ただし、公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。

 

 遺産と債務の確認 

 

遺産と債務を調べてその目録や一覧表を作っておきます。また、葬式費用も遺産額から差し引きますので、領収書などで確認しておきます。

 

 ④遺産の評価 

 

相続税がかかる財産の評価については、相続税法と財産評価基本通達により定められ一般に公表されていますので、それらにより評価します。その年の土地の相続税評価額の基となる路線価は毎年7月に公表されます。

 

 ⑤遺産の分割 

 

遺言書がある場合にはそれによりますが、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議をし、遺産分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成してください。

 

なお、相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があります。この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産の分割協議を行います。

 

また、期限までに分割できなかったときは民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告をすることになります。

 

 ⑥申告と納税 

 

相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に行うことになっています。また、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合の申告書の提出先、納税先はいずれも被相続人の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地ではありません。

 

相続税は、申告書の提出期限までに金銭で納めるのが原則です。しかし、相続税の納税については、何年かに分けて金銭で納める延納と相続又は遺贈で取得した財産そのもので納める物納という制度があります。この延納、物納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。

 

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中小企業&資産家のための税目別 誤りやすい税務への対応Q&A

中小企業&資産家のための税目別 誤りやすい税務への対応Q&A

伏見 俊行(編著)

株式会社ぎょうせい

中小企業や資産家の円滑な税務対応のために、重要な税情報と、納税者が自発的に適正な税務対応を行うために役立つ情報を提供。特に重要な事項、誤りやすい事項、質問の多い事項をQ&A形式で平易に解説する。

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