相続時の財産評価…土地、有価証券、非情報株式の価格の出し方 (※写真はイメージです/PIXTA)

相続発生時、土地や株式といった「課税対象となる財産」は把握していても、肝心の財産の価格の出し方がわからないという方は少なくありません。ここでは、土地、有価証券、非上場株式の財産評価の基本を解説します。相続税対応の留意事項・チェック表あり。※本記事は、『中小企業&資産家のための税目別誤りやすい税務への対応Q&A』(株式会社ぎょうせい)より抜粋・再編集したものです。

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土地評価には「路線価方式」と「倍率方式」がある

Q1

 

土地評価における路線価方式と倍率方式について教えてください。

 

A1

 

路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法です。路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示しています。

 

路線価方式における土地の価額は、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後に、その土地の面積を乗じて計算します。

 

 ①路線価方式 

 

路線価を元とした評価額の計算例

 

 

【計算例】

正面路線価 × 奥行価格補正率 × 面積 = 評価額

300千円 × 1.00 × 180㎡ = 54,000千円

 

 ②倍率方式 

 

倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法です。倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額(都税事務所、市区役所又は町村役場で確認してください。)に一定の倍率を乗じて計算します。

上場株式の評価は、被相続人の死亡日の最終価格

Q2

 

上場株式の評価方法について教えてください。

 

A2

 

上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。

 

上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する課税時期(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の最終価格によって評価します。

 

ただし、課税時期の最終価格が、次の三つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。

 

① 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額

② 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額

③ 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

非上場株式は、会社の規模で評価法に違いあり

Q3

 

取引相場のない株式の評価方法について教えてください。

 

A3

 

原則的評価方式は、評価する株式を発行した会社を総資産価額、従業員数及び取引金額により大会社、中会社又は小会社のいずれかに区分して、原則として次のような方法で評価をすることになっています。

 

 ①大会社 

 

大会社は、原則として、類似業種比準方式により評価します。類似業種比準方式は、類似業種(上場会社)の株価を基に、評価する会社の1株当たりの「配当金額」、「利益金額」及び「純資産価額(簿価)」の三つの要素で比準して評価する方法です。

 

なお、類似業種の業種目及び業種目別株価などは、国税庁ホームページで閲覧できます。

 

 ②小会社 

 

小会社は、原則として、純資産価額方式によって評価します。純資産価額方式は、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。

 

 ③中会社 

 

中会社は、大会社と小会社の評価方法を併用して評価します(併用方式)。

 

取引相場のない株式は、原則として、以上のような方式により評価しますが、同族株主以外の株主が取得した株式については、その株式の発行会社の規模にかかわらず原則的評価方式に代えて特例的な評価方式の配当還元方式で評価します。配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る1年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。

 

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千葉商科大学客員教授(会計ファイナンス研究科)
与良秀雄税理士事務所
iTAX税理士法人顧問 

税理士。国税庁資産課税課課長補佐、川越税務署副署長、国税不服審判所副審判官、関東信越国税局広報広聴室長、日立税務署長、人事第二課長、課税総括課長、課税第一部次長、徴収部長を歴任。主に資産税事務に従事。2016年与良秀雄税理士事務所開設。

現在、資産税等の支援を行うほか、資産税関係の書籍・ 記事の執筆、各種セミナー・研修会での講師等として活動。

著書として、『空き家譲渡3,000万円控除の特例 早わかり』(大蔵財務協会、2017年)、『非上場株式の評価と活用の留意点Q&A』(税務研究出版局、2018年)、『評基通によらない財産評価―「特別の事情」の存否』(新日本法規、2019年)共著など多数。

著者紹介

連載中小企業経営者&資産家のための「税目別・誤りやすい税務への対応」

中小企業&資産家のための税目別 誤りやすい税務への対応Q&A

中小企業&資産家のための税目別 誤りやすい税務への対応Q&A

伏見 俊行(編著)

株式会社ぎょうせい

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