クリニックの経営において、有能なスタッフの定着は極めて重要な課題です。すぐに退職してしまうのも困りますが、むしろ、周囲を退職に追い込むようなトラブルメーカーがいると大変です。スタッフの採用時に注意すべきなのは、どのような点でしょうか。※本記事は、蓮池林太郎氏の著書『競合と差がつくクリニックの経営戦略』(日本医療企画)より一部を抜粋・再編集したものです。

転職を繰り返している人、ブランクがある人は要注意

看護師や医療事務で転職を繰り返している人は、退職しやすい傾向にあるため要注意です。なかには、転職にまったく抵抗がないという人もいます。

 

同様に、仕事をしていない空白期間がある人も要注意です。就職活動をしていたのであればよいのですが、試用期間途中で退職していたり、職歴を隠している可能性があります。履歴書を見て空白期間がないかチェックしましょう。

 

誤解を恐れずにいうと、現在の日本では、仕事を探していても仕事がない看護師、医療事務はほぼいません。「親の介護のため」「実家に帰っていた」という説明も嘘であることがあります。悪気はないのかもしれませんが、面接のための方便でしょう。「残業が多い」「給与が安いから退職した」というのも、事前に募集要項や面接でわかることですし、自分の判断力の問題です。

 

職場を辞める理由の大部分は、「人間関係」の問題です。おかしなスタッフが嫌になって辞めたのか、その人になにかしらの問題があるのか、慎重に見極めないといけません。くれぐれもおかしなスタッフを採用してはいけません。

最も危険なのは「攻撃性が強いタイプ」

人間関係でトラブルを抱えるスタッフは、メンタルが弱くて攻撃されるとすぐ辞める、勤労意欲が低く休みがちですぐ辞めるなどさまざまですが、最も危険なのは攻撃性が強いタイプです。他のスタッフを攻撃して辞めさせてしまうことがあります。積極的で仕事ができて、頼りになりそうに見えるのが厄介なところです。

 

組織において他のスタッフと合わせることができない、我慢できず他人を攻撃してしまうといった性格は、環境を変えたり、教育しても根本から直すのはなかなか難しいでしょう。トラブルになる確率が高いので、当院では雇用しないように気をつけています。

 

ここまで紹介した特徴は、あくまで不良スタッフになる確率が高いだけで、特徴に当てはまるからといって必ずしも不良スタッフになるとはいいきれませんが、他にも副業をしているようなスタッフには注意が必要です。

 

副業している人は、医療のことがあまり好きではないケースも考えられ、少し嫌なことがあると、すぐに辞めてしまう傾向があります。特に、医師や看護師などは資格があり、給与が高いからやっているだけで、本当はやりたくないという場合もよくあるからです。

 

 

蓮池 林太郎

新宿駅前クリニック 院長

 

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競合と差がつく クリニックの経営戦略 Googleを活用した集患メソッド

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蓮池 林太郎

日本医療企画

医師である著者は、2009年に東京新宿で開業しました。競合クリニックがひしめく新宿において、決して立地に恵まれていたわけではないのに順調に経営ができてきたのは、患者さんがスマホでクリニック選びをする時代になり、その…

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