安定したクリニック運営には、優秀なスタッフに定着してもらうことが重要です。しかし、クリニックのような多忙で緊張感のある環境では、立て続けに退職者が出る「離職ドミノ現象」のリスクが高く、経営者にはそのような事態を回避する、適切な人材管理が求められます。※本記事は、蓮池林太郎氏の著書『競合と差がつくクリニックの経営戦略』(日本医療企画)より一部を抜粋・再編集したものです。

院長が「去る者は追わず」の姿勢を貫いていては…

スタッフの急な退職があると、人員不足となり、患者さんを待たせてしまったり、他のスタッフの負担が重くなってしまったり、診療体制が崩れてしまいがちです。

 

クリニックで仕事をするのが嫌になってしまい、本当はすぐにでも辞めたいのに、契約を守って契約期間まで勤め続けるスタッフもいれば、患者さんも同僚スタッフも困ることをわかっているにもかかわらず、すぐに来なくなるスタッフもいます。

 

多くの開業医は、すぐに辞めるスタッフに対して、「去る者は追わず」という姿勢で、追いかけることなく目をつむっています。そんなことが続いていたら、スタッフからの信用がなくなってしまうことでしょう。

 

「朝起きて仕事に行きたくない」「仮病を使ってずる休みをしようかな」「あの人の顔を見たくない」など、仕事に行きたくない、辞めたい人の気持ちはよくわかります。とはいえ、1人目が辞める→仕事量が増えた2人目が辞める→よりきつくなった3人目が辞めるという悪循環が起こることがあります。こうした離職ドミノ現象をどうにか食い止めないといけません。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

スタッフを多めに雇っておくことも選択肢の1つです。医師1名、看護師1名、医療事務2名ほどの個人クリニックであれば、スタッフを多めに雇用しておくことは厳しいかもしれませんが、スタッフに辞めそうな雰囲気があれば、多めに雇っておくべきです。

 

辞めそうかどうか、信頼できるスタッフから聞いておくこともテクニックの1つです。信頼関係のあるスタッフに、「辞めそうな人はいませんか?」と聞くと、案外教えてくれることがあります。辞めそうなスタッフが有能な人材であれば、面談して引き留めることもあります。

 

多めにスタッフを雇っておけば、募集開始から採用までの時間に余裕が生まれ、面接の基準を高くして、クリニックに合ったスタッフを選びやすくなります。逆に、時間がなければ、面接の基準を低くせざるをえなくなり、微妙なスタッフでも妥協して雇用しなくてはいけなくなります。

 

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競合と差がつく クリニックの経営戦略 Googleを活用した集患メソッド

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蓮池 林太郎

日本医療企画

医師である著者は、2009年に東京新宿で開業しました。競合クリニックがひしめく新宿において、決して立地に恵まれていたわけではないのに順調に経営ができてきたのは、患者さんがスマホでクリニック選びをする時代になり、その…

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