本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

鉱工業生産は+9.8%

小売売上高は+17.7%

 

■中国国家統計局は17日、主要経済指標を発表しました。4月の鉱工業生産は前年同月比+9.8%となり、前月の+14.1%から伸び率が鈍化しました。品目別の生産量をみると、コロナショック以降需要が増えたコンピューター(+13.5%)や産業用ロボット(+43.0%)などが高い伸びとなりました。

 

■4月の小売売上高は前年同月比+17.7%と、前月の+34.2%から伸び率が大きく鈍化し、市場予想の+25.0%を下回りました。業種別にみると、新型コロナウイルスの影響で前年に低迷した反動で飲食業は+46.4%と高い伸びでしたが、前月の+91.6%からは減速しました。

 

(注)データは2018年4月~2021年4月、前年同月比。各年2月のデータは1~2月の年初来累計の前年同期比。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
鉱工業生産と小売売上高 (注)データは2018年4月~2021年4月、前年同月比。各年2月のデータは1~2月の年初来累計の前年同期比。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

固定資産投資は+19.9%

民間投資は+21.0%

 

■また、1~4月の固定資産投資も前年同期比+19.9%と、1~3月の+25.6%から伸び率が鈍化しました。内訳をみると、約6割を占める民間投資が+21.0%、インフラ投資は+18.4%となり、それぞれ前月から伸び率が縮小しました。

 

(注)データは2018年1月1日~2021年5月17日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
MSCIチャイナと予想PER (注)データは2018年1月1日~2021年5月17日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

中国経済の順調な回復から中国株は堅調さを取り戻そう

■4月の主要経済指標はいずれも前月から伸び率が鈍化しました。これは、中国が新型コロナウイルスの感染抑制にいち早く成功し、経済活動の早期回復を実現したことで、昨年4月には多くの指標が大幅に改善していたためです。今後も中国経済は前年比でみた伸び率は鈍化しつつも、順調に回復を続けるとみられます。

 

■主要指標の発表を受けた17日の中国株式市場は、順調な景気回復との見方から、MSCIチャイナなどの株価指数が上昇しました。このところ米中対立などから株価が調整していますが、バリュエーションは予想PERで15倍割れに低下し、割高感が後退していることから、株式市場は堅調さを取り戻すと期待されます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国主要経済指標の伸びはやや鈍化』を参照)。

 

(2021年5月18日)

 

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2021年4月20日 運用者の視点:中国起業家の『早期退任』

2021年4月19日 中国のGDP成長率は+18.3%、コロナの反動で過去最高

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