相続の現場では、思いもよらぬことがトラブルのもとになることがあります。その一つが「葬儀費用」。何気なく用意したお金が原因で、追徴課税になるケースが後を絶ちません。その理由を、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が解説します。

相続開始前に引き出した現金…生活費で使ったら?

同じように「相続開始直後に引き出した現金はどう考えればいいですか?」と悩む人も多いでしょう。銀行などの金融機関は民間企業ですから、言わなければ預金を引き出せてしまうわけです。

 

これに関しては「相続開始時点の通帳残高を申告するので、税金計算上は問題ありません」が答えです。相続税を申告して、残ったお金を引き出したことになるからです。

 

しかし、あくまでも税金上の話。ほかの相続人には内緒で引き出した……となると、別の問題になるので、注意が必要です。

 

また「相続開始前に引き出した現金のうち、相続開始前の生活費などに使った分はどうなるのか」と思われる人も多いでしょう。前出の事例であれば、お父さんの入院費や身の回りのことでお金を使った場合などが考えられます。

 

こちらは「手許現金の計算上、当然マイナスできます。領収証などは無くても構いません」が答えです。

 

このように「税務署が葬儀用に引き出した現金をマークする理由」について考えてきました。現金を引き出すこと自体、悪いことではありません。葬儀用に引き出したのであれば、手許現金として相続税申告書にきちんと明記することをしていれば、特に問題になることはありません。

 

動画「税務署が『葬儀用に引き出した現金』をマークする理由」

 

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