コロナ禍で戦う医療従事者の人たち。命の危険にさらされながら、職務をまっとうしている彼らは、それに見合うだけの報酬を得ているのでしょうか。厚生労働省の調査から見ていきます。

病院に勤める、医師や看護師、歯科医師などの年収は?

新型コロナウイルスのワクチン接種のバタバタが続いています。感染者、重症者も増えたり減ったりと、出口の見えないなかで、それでも職務をまっとうする医療従事者のみなさんには、感謝の言葉もありません。

 

この大変な状況が収入に反映されればいいのですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、受診控えなどによる患者数の減少、手術数の減少などにより、病院などの経営が悪化。医療従事者の給料や賞与に影響が出ているという話も耳にします。

 

実際に医療従事者の収入というのは、どれほどのものなのでしょうか。厚生労働省『第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)』から紐解いていきましょう(関連記事:『職種別・施設別、医療従事者「年収」調査』)。

 

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA

 

同調査は、病院や一般診療所、歯科診療所、保険薬局における医業経営などの実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的としたもの。

 

社会保険による診療を行っている全国の病院や一般診療所、歯科診療所、保険調剤を行っている全国の保険薬局のうち1ヵ月の調剤報酬明細書の取扱件数が300件以上の薬局を地域別に層化。病院は1/3、一般診療所は1/20、歯科診療所は1/50、保険薬局は1/25の確率で無作為に抽出しています(特定機能病院、歯科大学病院、こども病院は、すべての施設を調査客体としている)。

 

まずは一般病院について、職種別に年収を見ていきましょう。施設の形態により差はありますが、トップである「病院長」は医療法人であれば年収3000万円超、国立でも2000万円弱となります。「医師」は1500万円前後、「看護職員」は500万円前後が平均的な水準です。

 

■一般病院の医療従事者の年収

「病院長」

:医療法人3042万3424円~国立1918万3299円

「医師」

:医療法人1640万7125円~国立1431万9511円

「歯科医師」

:公的1410万2633円~医療法人814万876円

「看護職員」

:公的559万5209円~医療法人454万9506円

「看護補助職員*1

:社会保険関係法人366万5047円~医療法人295万9309円

「歯科衛生士*2

:国立458万1213円~医療法人340万3901円

「歯科技工士*3

:公的659万1904円~医療法人419万6300円

「事務職員」

:国立595万6917円~医療法人375万2110円

 

*1:看護師長及び看護職員の指導の下に、原則として療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)のほか、病室内の環境整備、ベッドメーキング、看護用品及び消耗品の整理整頓等の業務を行う

*2:歯科予防処置、歯科診療補助および歯科保健指導等を行う

*3:歯科医師が作成した指示書を元に義歯や補綴物などの製作・加工を行う

 

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